「招き猫を飾ると、運が変わるって本当?」
そんなふうに思ったことのある方は、少なくないのではないでしょうか。
招き猫は、日本で古くから「福を招く」縁起物として親しまれてきたオブジェです。
店先や玄関、会社の受付に置かれているあの猫が、なぜ今日まで愛され続けているのか。
その背景には、日本の縁起物文化と「運を呼び込む」という考え方が深く根付いています。
この記事では、招き猫と開運の関係、色や置き場所が持つ意味、選び方の考え方を順番に整理していきます。
より詳しく知りたい方は『開業時に招き猫はおすすめ?店先に福を招く、選ぶ前に知っておきたい日本の文化』もご覧ください…!
招き猫は本当に開運を引き寄せるのか

縁起物としての招き猫の始まり
招き猫が商いの場に広まったのは、江戸時代の後期から明治時代にかけてのことです。
当時の商人たちは、手を上げた猫の姿に「お客を招く」「福を引き寄せる」という意味を見出し、店先に据えるようになりました。
その後、招き猫は店舗だけでなく、家の玄関、旅館、事務所と、さまざまな場所に置かれるようになりました。
「招く」という行為を形にしたオブジェとして、時代を超えて日本人の暮らしに溶け込んできたのです。
「開運」と招き猫が結びついた理由
開運とは、文字どおり「運を開く」こと。
閉じていた運の流れを変え、良い方向へと向かわせるという意味があります。
招き猫は、そもそも「招く」というポジティブな動作を象徴しています。
金運・来客・縁・家内安全など、招き猫が象徴するものはすべて、人々が引き寄せたいと願うものばかりといえるでしょう。
「開運」という言葉の意味と、招き猫が象徴するものは、見事にぴたりと重なるのです。
「置いたから運が変わる」という話ではありません。
ただ、願いを持って迎え入れ、丁寧に飾る行為そのものが、日本の縁起物文化では「開運のための所作」のひとつとされてきました。
そのことが、招き猫と開運が長く結びついている理由のひとつといえるでしょう。
招き猫が象徴する運の種類|色と手の意味

色ごとの意味と開運の種類
招き猫は色によって、象徴する運の種類が異なります。
自分が引き寄せたい運に合わせて色を選ぶ方法が、多くの方に伝わっています。
- 白:縁起の良さ・運気全般。清潔感があり、どんな場所にも合わせやすい定番の色
- 金:金運・財運・商売繁盛。開運の代表格として最も人気が高い色のひとつ
- 黒:魔除け・厄払い・安定。外からの悪い気を払い、運の乱れを防ぐとされる
- 赤:健康・病除け・活力。古くから赤は魔を払う色として伝わる
- 黄(金):金運・財運。金色と同様に経済的な開運を願う場面で選ばれることが多い
- 緑:成長・仕事運・学業。新しいことを始める場や、自己成長を願う場に向くとされる
- ピンク(桃):縁・人間関係・良縁。対人関係を豊かにしたいという願いに合う色
- 青:知性・仕事の成功・才能開花。学業や仕事での飛躍を願う場面で選ばれる
白や金は「開運全般」をカバーする色として最もよく選ばれています。
何を引き寄せたいかが明確な方は、その願いに対応した色を選ぶと、招き猫を迎える意味がより深くなるでしょう。
右手と左手、どちらが開運に向くのか
招き猫には右手を上げているものと、左手を上げているものがあります。
手の意味については地域や窯元によって諸説ありますが、よく知られている解釈は次のとおりです。
- 右手:金運・財運を招く
- 左手:お客・人・縁を招く
- 両手:金運・縁の両方を招く
「開運全般」を願うなら両手タイプ、金運に特化したいなら右手、良縁や人間関係を引き寄せたいなら左手、という選び方が多く見られます。
また、手の高さにも意味があるとされています。
高く上げているほど「遠くから大きな縁を招く」、低いほど「身近な縁を引き寄せる」という解釈が伝わっています。
大きな変化を求める方は高く手を上げたタイプ、日常の縁を大切にしたい方には低めのものが親しまれてきました。
開運を引き寄せる置き場所の考え方
玄関・入口に置く意味
招き猫を開運のために置くなら、玄関や入口が最も意味のある場所とされています。
玄関は「気の入り口」であり、外から福や縁が入ってくる通り道です。
招き猫を入口に向けて据えることで、外からのよい気を招き入れる向きになるでしょう。
高さは、床より目線に近い位置が望ましいとされています。
低すぎると「気を招く力が弱まる」、逆に手の届かないほど高くすると「飾っているだけ」になりかねないため、自然な目線の高さに据えるのが丁寧な飾り方です。
リビング・居間に置く場合
家族が集まるリビングや居間に招き猫を置く場合は、家内安全や家族の縁を引き寄せる意味が強くなります。
清潔に保たれた棚や飾り棚の上に据え、乱雑な環境を避けることが、招き猫を大切に飾ることにつながります。
方角との組み合わせ
風水の考え方と組み合わせて、方角を意識して置く方もいらっしゃいます。
よく知られている方角の意味は次のとおりです。
- 東:発展・成長・新しいスタート
- 西:金運・収穫・財運
- 南:名声・人気・活気
- 北:仕事運・安定・知的活動
金運を重視するなら西向き、仕事の開運を願うなら北向きに招き猫を据えるという選び方が、風水と招き猫を組み合わせる場面でよく見られます。
ただし、向きや方角はあくまで目安であり、置けないなら無理に合わせる必要はありません。
招き猫を「飾れる環境を整える」ことのほうが、方角を気にしすぎるより大切です。
避けたほうがよい場所
招き猫を置く場所として、避けたほうがよいとされているのは次のような場所です。
- 床の上(地面への直置き):招き猫本来の「高い場所から招く」という意味から外れる
- トイレや水回り:縁起物を置く場所として適さないとされている
- ほこりや汚れが溜まりやすい棚の隅:清潔に保てない環境は、招き猫を粗末に扱うことになる
- 直射日光が長時間当たる場所:色あせや劣化が起きやすく、大切に飾る観点からも避けるのが自然
開運のために招き猫を選ぶ3つの考え方
1. 何を引き寄せたいかを先に決める
招き猫を開運目的で迎えるなら、「何の運を引き寄せたいか」を先に整理することが出発点です。
金運・縁・健康・仕事運・家内安全など、願いによって選ぶ色と手が変わってきます。
漠然と「運が良くなりたい」なら白か金が選ばれることが多く、特定の願いがあるなら対応した色を選ぶとよいでしょう。
2. 置ける場所・環境を先に確認する
招き猫は「丁寧に飾れる場所に据える」ことが大切です。
飾る場所が決まると、サイズや色の絞り込みが自然にできます。
大きな棚や玄関台があるなら存在感のあるサイズを、小さなスペースしかないなら手のひらサイズを選ぶなど、環境に合った選択をするとよいでしょう。
3. 飾り続ける・丁寧に扱うことが開運の所作
日本の縁起物文化において、縁起物は「大切に扱うこと」そのものが意味を持ちます。
定期的にほこりを払い、壊れたら新しいものを迎え、清潔な場所に据えておくこと。
こうした所作が、招き猫を「開運のオブジェ」として機能させる土台になります。
「置きっぱなしで埃まみれの招き猫」より、「丁寧に飾られた小さな招き猫」のほうが、招き猫本来の意味を体現しているといえるでしょう。
開運を願うなら、迎えた後の扱い方まで意識することが、招き猫と長く付き合う上で大切なことのひとつです。
日本初の招き猫専門メディア『招き猫研究所』

招き猫研究所では、招き猫を『縁起物の雑学』ではなく、日本が育んできた文化として伝えていきたいと考えています。
色の意味や置き場所のハウツーだけでなく、窯元や産地、職人さんの想いが込められた招き猫の世界を、もっと多くの方に届けたい。
そんな思いで、記事を書いています。
「招き猫って、もっと深いんだ」と感じていただけたら、『招き猫のご利益・縁起』の記事もご覧になってみてください。
まとめ
招き猫と開運の関係、色・手・置き場所の意味を整理してきました。
最後に、要点をまとめます。
- 招き猫は江戸時代から「招く」行為を形にした縁起物で、開運を願う文化と深く結びついている
- 色は白・金・黒・赤・緑・ピンクなど、それぞれ異なる運の種類を象徴している
- 右手は金運、左手はお客・縁、両手はその両方を招くとされている
- 置き場所は玄関・入口が基本。清潔に保てる環境に、目線に近い高さで据える
- 大切に飾り続ける所作そのものが、日本の縁起物文化における「開運の行為」になる
招き猫は、置いたから運が変わるというシンプルな話ではありません。
日本が育んできた「招く」という文化のなかに、自分の願いを重ねて迎え入れる。
そのひとつひとつの選択と所作が、開運という概念と招き猫を今日もつないでいるのだと感じていただけたら、うれしいです。
