「招き猫って、金運や商売繁盛のイメージが強いけれど、健康運とはどうつながるんだろう?」
招き猫を調べているとき、そんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、招き猫と健康運のつながりには、江戸時代から受け継がれてきた深い考え方があります。
赤と緑という色に込められた願いから、その背景を紐解いていきましょう。
より詳しく知りたい方は『開業時に招き猫はおすすめ?店先に福を招く、選ぶ前に知っておきたい日本の文化』もご覧ください…!
招き猫と健康運のつながりとは

健康を願う縁起物としての招き猫
招き猫は、もともと「福を招く縁起物」として日本に根付いてきました。
金運や商売繁盛だけでなく、健康や無病息災を願う文化も、古くから招き猫に込められてきたのです。
縁起物としての招き猫には、願いごとに応じてさまざまな色が生まれてきました。
色ごとに異なる意味を持たせることで、健康を願う人にも、恋愛運を願う人にも、それぞれの招き猫が選ばれてきた歴史があります。
日本人にとって「健康でいたい」という願いは、時代を問わず最も切実なものです。
招き猫がその願いを受け止めてきたのは、縁起物という文化が持つ「祈りを形にする」という力があったからといえるでしょう。
赤い招き猫が健康運と結びついた理由
赤色の招き猫は、厄除けや無病息災を願う意味を持つとされています。
赤という色が、日本の文化の中で「魔を払う」「災いを退ける」力を持つと考えられてきたことが背景にあります。
古くから、赤い色は神聖さや生命力の象徴として扱われてきました。
神社の鳥居が赤く塗られているのも、魔除けの意味があるといわれています。
その考え方が、招き猫の色選びにも受け継がれてきたのです。
赤い招き猫を健康を願う場所に据えることで、「病気や災いを遠ざけてほしい」という祈りが込められています。
子どもの健やかな成長を願って赤い招き猫を飾る、という据え方も伝わっています。
緑の招き猫と健康運のつながり
緑色の招き猫は、健康運や生命力・成長を願う意味を持つといわれています。
緑という色は、自然の草木や生命力を連想させることから、健康や長寿と結びついてきました。
風水の考え方でも、緑は木のエネルギーを表し、生命力や成長を象徴する色とされています。
健康運を高めたいと考える方に、緑の招き猫が選ばれるようになったのはこうした背景があります。
赤が「厄を払う」という守りの意味を持つのに対して、緑は「生命力を呼び込む」という積極的な意味合いが強いといえます。
健康運を願うとき、この赤と緑のふたつが対になって選ばれることも多いのです。
江戸時代から受け継がれた健康への願い

江戸時代の人々と病への向き合い方
江戸時代、医学はまだ十分に発達しておらず、病気は人々にとって非常に身近な脅威でした。
疫病が流行し、多くの命が奪われることも珍しくない時代だったのです。
そのような時代背景の中で、人々は縁起物や祈りの力に頼りながら、健康を保とうとしてきました。
神社仏閣への参拝、お守りや縁起物を身近に置く習慣は、この時代に深く根付いていったのです。
招き猫が広まった江戸時代後期から明治時代にかけて、人々の生活の中に「福を招く」「災いを払う」という縁起物の文化が豊かに育まれていきました。
健康を願う気持ちが、招き猫という形に込められるようになっていったのは、こうした時代の必然といえます。
縁起物に込められた健康祈願の文化
日本の縁起物の文化には、「願いを形にして身近に置く」という考え方が根底にあります。
お守りを持ち歩く、お札を玄関に飾る、縁起物を床の間に据えるといった習慣はすべて、この考え方から生まれています。
招き猫も同じです。
「健康でいられますように」という祈りを、目に見える形に変えたのが、赤や緑の招き猫だったのです。
願いを形にして毎日目にすることで、その気持ちを暮らしの中に根付かせていく。
そういう日本らしい文化が、招き猫の健康運という考え方を支えてきました。
特に、子どもの健康を願う親の気持ちや、家族の無病息災を祈る思いは、どの時代でも変わりません。
そのような切実な願いを受け止める縁起物として、招き猫は選ばれ続けてきたのです。
招き猫が健康運を招くと考えられてきた背景
招き猫が健康運と結びついてきたのには、色の文化だけでなく、置かれてきた場所の文化も関係しています。
病院や薬局、接骨院といった健康に関わる場所に招き猫が置かれてきたことで、「招き猫は健康運も招く」という考え方が広まっていきました。
また、商売繁盛を願う商いの場でも、働く人たちの健康は不可欠でした。
「金運だけでなく、体も丈夫でいられますように」という願いが、招き猫に重ねられていったのです。
招き猫は、特定の願いだけでなく、暮らし全体の幸福を招く縁起物として育まれてきました。
健康運も、そうした「暮らしのすべてに福を」という考え方の中に自然と含まれていったのです。
また、招き猫を売る商家や骨董品店、薬問屋が「健康を願って赤い招き猫を」と薦める文化もあったといわれています。
商いの現場から生まれた縁起物の知恵が、健康運と招き猫の結びつきをより強固なものにしていったのです。
色ごとに異なる健康運の意味
赤色に込められた意味:厄除けと無病息災
赤い招き猫の持つ意味を整理すると、次のようになります。
- 厄除け・魔除け:赤は日本文化において邪気を払う色とされてきた
- 無病息災:病気にならず健康でいられるようにという願い
- 子どもの健康祈願:子どもの健やかな成長を願う場面で選ばれることが多い
- 家族の守り:家族全員が健康でいられるようにという祈り
赤という色が日本の文化でどれほど大切に扱われてきたかは、神社の鳥居や神前に供えられる赤い物を見ると分かります。
「赤は災いを払う」という信仰が、招き猫の色の選び方にも深く影響しているのです。
赤い招き猫は、健康運を願うときに最もよく選ばれる色のひとつです。
特に「病気になりたくない」「家族を守りたい」という守りの気持ちが強いとき、赤が選ばれる傾向があります。
緑色に込められた意味:生命力と成長
緑の招き猫の持つ意味を整理すると、次のようになります。
- 健康運・生命力:緑は草木の色、自然の生命力を象徴する
- 成長・発展:植物が育つようにという願いが込められている
- 回復・再生:病後の回復や、元気を取り戻すことへの祈り
- 長寿・安らぎ:穏やかで長い健康な生活への願い
緑は、赤の「守り・厄除け」とは異なり、「生命力を高める・呼び込む」という積極的な意味を持ちます。
元気に過ごしたい、体力をつけたいというときは、緑の招き猫が選ばれることが多いのです。
風水的な観点では、緑(木の気)は東や東南の方角と相性がよいとされています。
健康運を高めたいなら、東の方角に緑の招き猫を据えるという考え方もあります。
白・金との組み合わせと健康
赤や緑だけでなく、他の色の招き猫を組み合わせて据える方もいらっしゃいます。
白い招き猫は、浄化や開運全般の意味を持つとされています。
白は「何色にも染まらない清らかさ」を象徴し、健康を含むすべての運を整える色として選ばれることがあります。
赤や緑と組み合わせることで、厄を払いながら生命力も高める、という使い方もできます。
金色の招き猫は金運の象徴として知られていますが、心の豊かさや安定とも結びついています。
経済的な安心が健康な暮らしを支えるという考えから、健康と金運を合わせて願うために組み合わせるケースもあります。
健康運を願う招き猫の置き方
置き場所の基本的な考え方
招き猫を健康運のために据えるとき、置き場所にはいくつかの考え方があります。
最も大切なのは「清潔で明るい場所に置く」ということです。
縁起物は、汚れた場所や暗い場所には向かないと昔からいわれています。
玄関、リビング、寝室など、家族が毎日目にする場所に据えることで、「健康でいたい」という気持ちを日々確認できます。
招き猫に手を合わせたり、目をやる習慣ができることで、健康を意識した暮らしが自然と生まれていくのです。
家庭での据え方
家庭で健康運を願う招き猫を据えるときに、よく選ばれる場所を整理します。
- 玄関:福を招く入り口として、赤や緑の招き猫を外向きに据える
- リビング:家族全員が集まる場所として、家族の健康を願って据える
- 寝室:休息と回復の場として、健康運を願う招き猫を置く方もいる
- 棚・床の間:目線より少し高い場所に据えると、見下ろされず縁起がよいとされる
どの場所に据えるにしても、ホコリが溜まらないよう定期的に拭き取り、清潔に保つことが大切です。
招き猫を丁寧に扱うことが、願いを大切にすることにもつながります。
方角と色の組み合わせ
風水の考え方では、色と方角を組み合わせることで、願いがより具体的になるとされています。
健康運を高めたい場合の、色と方角の組み合わせを整理します。
- 赤の招き猫 × 南:南は火の方角で、活力や生命力を高めるとされる。赤と組み合わせると厄除けの力が増すといわれている
- 緑の招き猫 × 東・東南:木の気と相性がよく、成長や健康を促すとされる
- 白の招き猫 × 西・北西:浄化の作用があるとされ、体の汚れや疲れを払うイメージ
ただし、方角を意識しすぎて置き場所が不自然になるよりも、毎日自然に目に入る場所に丁寧に据える方が大切です。
招き猫との暮らしを楽しむことが、健康運を育てる第一歩といえるでしょう。
窯元と産地が育んだ健康招き猫の文化
常滑・瀬戸で作られる赤と緑の招き猫
招き猫の主要な産地として知られる愛知県の常滑と瀬戸では、赤や緑を含むさまざまな色の招き猫が作られてきました。
それぞれの産地が持つ土の特性と釉薬の文化が、招き猫の色表現を豊かにしてきたのです。
常滑焼の招き猫は、鉄分を多く含む赤茶色の土が特徴です。
その土から生まれる独特の赤みは、厄除けを願う赤い招き猫の文化とも自然につながっています。
常滑の窯元では、昔ながらの製法で作られた赤みある招き猫が今も受け継がれています。
瀬戸では、白磁を基礎とした磁器の招き猫が多く作られてきました。
釉薬の色彩表現が豊かで、緑や赤など多彩な色の招き猫が生まれてきたのは瀬戸の技術の賜物です。
職人が一つひとつ絵付けした、鮮やかな緑の招き猫は、瀬戸の産地ならではのものといえます。
職人が込めた健康への祈り
招き猫を作る窯元の職人たちも、それぞれの色に込められた意味をよく知っています。
「健康を願う方に赤い招き猫を」「生命力を高めたい方に緑を」という思いで作られた招き猫は、その意味とともに使い手に届けられてきました。
招き猫づくりには、土の配合から焼成温度の調整まで、職人の経験と技が込められています。
同じ赤でも、窯元によって発色や表情が異なり、それぞれの産地が独自の健康招き猫の文化を育ててきたのです。
産地や窯元を訪れると、職人が「この招き猫を迎えた方が健康でいられるように」という祈りを込めて作っている、という話を聞くことがあります。
その祈りが、招き猫の健康運の考え方を、現代まで生きたものにしているのだといえるでしょう。
日本初の招き猫専門メディア『招き猫研究所』

招き猫研究所では、招き猫を『縁起物の雑学』ではなく、日本が育んできた文化として伝えていきたいと考えています。
色の意味や置き場所のハウツーだけでなく、窯元や産地、職人さんの想いが込められた招き猫の世界を、もっと多くの方に届けたい。
そんな思いで、記事を書いています。
「招き猫って、もっと深いんだ」と感じていただけたら、『招き猫のご利益・縁起』の記事もご覧になってみてください。
まとめ:赤と緑に込められた、江戸時代からの願い
招き猫と健康運のつながりは、色の意味と江戸時代から受け継がれてきた縁起物の文化に根ざしています。
赤い招き猫は厄除けと無病息災、緑の招き猫は生命力と成長を願う意味を持ちます。
江戸時代、病が身近にあった時代に、人々は縁起物に健康への祈りを込めてきました。
その祈りが今も招き猫の色に生き続けていることが、招き猫文化の豊かさを示しています。
健康運を願うなら、赤か緑の招き猫を選び、清潔で明るい場所に据えること。
毎日目にするたびに、自分や家族の健康を意識できる暮らしが、招き猫との付き合い方として自然な形ではないでしょうか。
産地や窯元が育んできた健康招き猫の文化を知ることで、手元の招き猫がより身近に、より大切なものに感じられるようになります。
赤と緑に込められた、江戸時代からの願いを受け取りながら、招き猫と一緒に健康な暮らしを育てていただければ幸いです。
