「商売繁盛のご利益があると聞いて、会社に置いてみたいけど、本当に意味があるのかな」。
そう思ったことのある方は、多いのではないでしょうか。
招き猫は、日本全国の商店や企業のエントランスで、江戸時代から今日まで迎え入れられてきた縁起物です。
ただ「なんとなく縁起がいい」ではなく、置く場所と色には、それぞれ異なる意味が伝わっています。
この記事では、会社に招き猫を置く意味、置き場所の選び方、色の見方を順番に整理していきます。
より詳しく知りたい方は『開業時に招き猫はおすすめ?店先に福を招く、選ぶ前に知っておきたい日本の文化』もご覧ください…!
会社に招き猫を置く意味はある?

招き猫が商いの場に根付いた背景
招き猫が商いの場で広まったのは、江戸時代の後期から明治時代にかけてのことです。
当時の商人たちは、店先に招き猫を据えることで、お客を招き、福を引き寄せるという願いを込めてきました。
そのころから今日に至るまで、飲食店・小売店・旅館・会社の受付など、商いの現場に招き猫が置かれ続けています。
「縁起物だから」という単純な話ではなく、招き猫には日本の商人文化の積み重ねがあります。
「お客が来てほしい」「繁盛したい」「事業がうまく回ってほしい」という願いを、形にしてきたのが招き猫です。
会社に置くことに意味はあるのか
会社に招き猫を置く意味について、「スピリチュアルな話でしょ?」と感じる方もいるかもしれません。
ただ、商売繁盛・顧客獲得・社運向上という願いと、招き猫が象徴するものは、今も変わらずぴたりと重なっています。
招き猫を玄関や受付に置くことは、来訪するお客・取引先・パートナーへの「迎える姿勢」の表れでもあります。
日本の商慣習を大切にする、という姿勢を空間で示す道具として機能している側面もあるのです。
「置いたから売上が上がる」という話ではありません。
ただ、日本の文化的背景をもつ縁起物として、商いの場に招き猫を据える意味は、今も充分にあると多くの方は感じているようです。
会社のどこに置くのが正解?場所別の意味

玄関・受付(エントランス)
会社に招き猫を置くなら、玄関・受付・エントランスが最も適した場所のひとつです。
招き猫はもともと、「お客を招く」「福を招く」という意味で入口に据えられてきました。
会社の顔となるエントランスに置くことで、来訪者を迎える気持ちが空間として表れます。
向きは、外から見て招き手が見えるように、入口に向けて置くのが一般的です。
外に向けることで、外からお客・縁・福を招き入れるという意味になります。
受付スタッフの後ろに置く場合は、来訪者の方を向かせるとよいでしょう。
社長室・応接室
社長室や応接室は、重要な商談・契約・交渉が行われる場所です。
こうした場所に招き猫を据えることは、「事業の発展・縁の引き寄せ」という意味合いが強くなります。
応接室のシェルフや棚に置く場合は、部屋に入ってきた方から見えやすい位置がよいとされています。
目に入る場所に据えることで、招き猫の存在が会話のきっかけになるでしょう。
日本の縁起文化に親しみのある取引先には、「この会社は日本の文化を大切にしている」という印象を与えられます。
レジ周り・カウンター(店舗型ビジネスの場合)
飲食店・小売店・美容室・クリニックなど、カウンターやレジがある場合は、その近くに置くのが定番の方法です。
お会計の場は「お金が動く場所」であり、招き猫の金運・商売繁盛の意味が最も重なります。
レジ横や棚の上に置く場合は、お客の目に入りやすく、かつ邪魔にならない高さを意識するとよいでしょう。
目線より少し高めの位置に据えることで、招き猫本来の「高いところから見渡して福を招く」という形にもなります。
置いてはいけない場所
招き猫を置く場所として、避けたほうがよいとされているのは、次のような場所です。
- 床の上(地面に直置き):高い場所から福を招くという招き猫の意味から外れる
- トイレや水回り:清潔感という観点から、縁起物を置く場所としては向かない
- 直射日光が長時間当たる場所:色あせや劣化が早く、大切に扱う観点から避けるのが自然
- ものが乱雑に積まれた棚の片隅:招き猫が「飾られている」状態にならないため
招き猫は「飾るもの」です。
丁寧に据えられた状態が、招き猫の役割を最も活かします。
招き猫の色の選び方|会社・商売に合う色とは
主な色と意味の一覧
招き猫の色には、それぞれ意味があるとされています。
会社や商売の場で選ぶときは、自分が何を願うかに合わせて色を選ぶ方法が、多くの人に伝わっています。
- 白:縁起の良さ・清潔感・運気全般。最もスタンダードな色で、どんな場所にも合わせやすい
- 金:金運・財運・商売繁盛。ビジネスの場では最も人気が高い色のひとつ
- 黒:魔除け・厄払い・商売の安定。外からの悪い気を払うとされる
- 赤:健康・病除け・縁結び。古くから赤は魔を払う色として使われてきた
- 緑:成長・学業・仕事の向上。新しいことを始める場や、人材育成を願う場にも合う
- ピンク(桃):人間関係・縁・良縁。対人関係の多い職場や、接客業に向くとされる
会社の目的別・おすすめの色
「商売繁盛・売上向上」を願う場合は、金色や白が選ばれることが多いです。
金色は財運と直結した色で、会社の受付やレジ周りに置く招き猫としてよく見かけます。
「新規顧客の獲得・縁を引き寄せたい」場合は、白や金に加えてピンクが合うとされています。
対人関係・良縁の意味が強く、初対面の方と出会う機会の多い受付や応接室にも向きます。
「事業の安定・リスク回避」を意識するなら、黒や白が選ばれることが多いです。
黒は魔除け・厄払いの意味をもち、外からの不運を払うとされています。
スタートアップよりも、安定した経営を守りたいフェーズの会社に選ばれる傾向があるでしょう。
色はひとつに絞る必要はありません。
白と金を並べる、金と黒を組み合わせるなど、複数の招き猫を据える会社も少なくありません。
右手・左手、どちらを選ぶ?
手の意味の違い
招き猫には、右手を上げているものと左手を上げているものがあります。
手の意味については、地域や窯元によって諸説ありますが、よく知られている解釈は次のとおりです。
- 右手(前足)を上げている:金運・財運を招く
- 左手(前足)を上げている:お客・人を招く
- 両手を上げている:金運・お客の両方を招く(ただし「お手上げ」とも取られるため好みが分かれる)
会社に置く場合は、目的によって選ぶのが自然です。
「売上・金運を重視したい」なら右手、「まずは顧客・来客を増やしたい」なら左手、という選び方が多く見られます。
高さにも意味がある
手を上げている高さにも、意味の違いがあるとされています。
手が高く上がっているほど「遠くから招く・大きな縁を呼び込む」、低いほど「近くにいる縁を招く」という解釈が伝わっています。
遠方のお客・海外の取引先を意識する会社には高く手を上げたタイプが合うといわれ、地域密着・近隣客を大切にする店舗には手が低めのタイプが親しまれてきました。
これも絶対のルールではなく、文化的な背景として知っておくと、招き猫選びがより楽しくなります。
会社に置く招き猫、選び方の3つのポイント
ここまでの内容をふまえて、会社向けに招き猫を選ぶ際の基本的な考え方を整理します。
1. 置く場所を先に決める
「どの色にしようか」より先に、「どこに置くか」を決めることが出発点です。
玄関・受付・社長室・レジ周りで、招き猫の役割と意味が変わってきます。
場所が決まると、サイズや色の選択肢が自然と絞られてくるでしょう。
2. 願いに合わせて色と手を選ぶ
招き猫は「なんとなく縁起が良さそう」だけで選ぶより、自分が何を願っているかに合わせて選ぶと、据えたあとの満足感が違います。
売上・金運を願うなら金色で右手、来客・縁を願うなら白か金で左手、という選び方が多くの方に選ばれています。
3. 丁寧に飾れる状態を整える
招き猫は「置く」のではなく「飾る」ものです。
乱雑な棚の隅より、少し整えられた棚の上、ほこりを払って清潔に保てる場所に据えることが、招き猫を大切にすることにつながります。
来訪者の目に触れる場所なら、会社の姿勢や空気感を伝える役割も果たします。
日本の縁起文化を大切にしている、という印象は、それだけで信頼の一端になることがあるのです。
日本初の招き猫専門メディア『招き猫研究所』

招き猫研究所では、招き猫を『縁起物の雑学』ではなく、日本が育んできた文化として伝えていきたいと考えています。
色の意味や置き場所のハウツーだけでなく、窯元や産地、職人さんの想いが込められた招き猫の世界を、もっと多くの方に届けたい。
そんな思いで、記事を書いています。
「招き猫って、もっと深いんだ」と感じていただけたら、『招き猫のご利益・縁起』の記事もご覧になってみてください。
まとめ
会社に招き猫を置く意味と、場所・色・手の選び方を整理してきました。
最後に、要点をまとめます。
- 招き猫は江戸時代から商いの場に根付いてきた縁起物で、会社に置く文化的な背景がある
- 置き場所は玄関・受付・社長室・レジ周りが基本。乱雑な場所は避け、丁寧に飾れる環境を整える
- 色は目的に合わせて選ぶ。金は金運・商売繁盛、白はバランス重視、黒は安定・魔除け
- 右手は金運・財運、左手はお客・人を招く意味があるとされている
- 「何を願うか」に合わせて選ぶと、招き猫を迎える満足感が変わる
招き猫を会社に置くことは、日本の商いの文化を自分の場所に引き継ぐことでもあります。
選び方と置き場所を知ったうえで迎えると、一匹の招き猫がもつ意味の重さが、少し変わって見えてくるかもしれません。
