「招き猫って、福を招くだけじゃなくて、厄除けにもなるの?」
そう思って調べている方は、少なくないのではないでしょうか。
招き猫には「招く」というイメージが強くありますが、実は「払う」力も古くから伝わっています。
魔除け・厄払いを象徴する色として黒や赤が知られており、縁起物としての役割は金運や商売繁盛だけにとどまりません。
この記事では、招き猫と厄除けの関係、守りに向く色の意味、置き場所の考え方を順番に整理していきます。
色を選ぶ前にぜひ読んでおいてほしい、招き猫の縁起の話です。
より詳しく知りたい方は『招き猫はプレゼントしていい?開業・新築・お祝い、贈る前に知っておきたい考え方』もご覧ください…!
招き猫に厄除けの効果はあるのか

「招く」だけでなく「払う」力も持つ縁起物
招き猫は、江戸時代から「福を招く」縁起物として商いの場に置かれてきました。
一方で、日本の縁起物文化には「福を引き寄せる」と「災いを払う」という、表裏一体の概念があります。
招き猫もその例外ではありません。
色によっては「魔を払う」「厄を除ける」という意味を持つものがあり、厄除けや魔除けを目的として招き猫を選ぶ方は、古くから存在しています。
「招く猫」でありながら、「守る猫」でもあるのです。
厄除けと招き猫が結びついた背景
日本では古くから、猫は霊的な力を持つ動物として扱われてきました。
猫の目が暗闇でも光ること、鋭い感覚を持つこと、縄張りを守る本能などが、「悪いものを寄せつけない」という印象につながっていったと考えられています。
招き猫が広まる以前から、猫は魔除けや厄払いの象徴として親しまれていました。
そうした文化的な背景が招き猫にも引き継がれ、特定の色の招き猫が「魔除け・厄除けの縁起物」として選ばれるようになったのです。
「置いたから厄が払われる」という断言ではありません。
ただ、日本の縁起物文化のなかで、招き猫が「守り」の意味を持つ縁起物として受け継がれてきたことは確かです。
厄除けに向く招き猫の色とその意味

黒:最も魔除けに近い色
厄除け・魔除けを目的に招き猫を選ぶなら、黒が最も代表的な色です。
黒い招き猫は、外からの悪い気・不運・邪気を払うとされており、魔除けの縁起物として古くから選ばれてきました。
黒が魔除けの色とされてきた背景には、猫の目が闇を見通す力を持つという認識があります。
暗闇でも視野を保ち、危険を察知する猫の本能が、「見えない脅威を払う」という象徴として結びついていったと考えられています。
家の入口や事務所の玄関に黒い招き猫を置く場合は、外からの悪い気の侵入を防ぐという意味が強くなります。
また、女性の一人暮らしや夜間も人が出入りする場所に置く方も多く、「守りの縁起物」として幅広く使われています。
赤:古くから続く厄払いの色
赤もまた、厄除けに深く結びついた色です。
日本では古くから赤は「魔を払う色」として使われてきました。
神社の鳥居、お守り、達磨など、厄除けや祈願を象徴するものに赤が用いられてきたのは、このためです。
赤い招き猫は、健康・病除け・魔除けの意味を持つとされています。
家族の健康を守りたい、病気や怪我を寄せつけたくないという願いを込めて選ばれることが多いです。
特に病院・クリニック・薬局など、健康に関わる場所で見かけることが多いでしょう。
白・金との組み合わせ
厄除けだけを目的とするのではなく、「守りながら福も招きたい」という場合は、白や金との組み合わせが選ばれることがあります。
白は運気全般を整える色で、清潔感と調和を象徴しています。
黒の魔除けと白のバランスを組み合わせることで、「払う」と「招く」の両方を場に据えるという考え方です。
複数の招き猫を並べることは珍しくなく、黒と白・黒と金を対で飾る家や店舗も多く見られます。
「何を重視するか」によって組み合わせを選ぶ楽しさが、招き猫の文化の豊かさのひとつといえるでしょう。
厄除けとして招き猫を置く場所の考え方
入口・玄関に置く意味
厄除けを目的に招き猫を置く場合、玄関や入口が基本の置き場所です。
外から悪い気が入ってくる経路を「守る」という観点から、入口に据えることが理にかなっています。
向きは、外に向けるのが一般的です。
外から侵入しようとする厄や邪気に対して、入口に向けることで「払う・迎え撃つ」という構えになるでしょう。
金運招来の場合と同じく入口を向くという点で、厄除けと開運は置き場所の考え方が共通しているのです。
鬼門の方角に置く考え方
風水や家相の考え方では、北東の方角(鬼門)は邪気が入りやすい方角とされています。
鬼門の方向に向けて魔除けの縁起物を据えるという考え方が、古くから伝わっています。
黒い招き猫を北東の方角に置く、または北東の壁面に向けて据えるという飾り方が、厄除け目的の置き方として知られています。
ただし、方角へのこだわりは絶対的なものではありません。
方角を意識しすぎて置けない場所に無理に据えるより、丁寧に飾れる環境に置くことのほうが大切です。
避けたほうがよい場所
厄除けの招き猫でも、置き場所として避けたほうがよい環境があります。
- 床の上・地面への直置き:縁起物を粗末に扱うことになり、招き猫本来の役割を損なう
- ほこりが溜まりやすい場所:定期的に清潔を保てない環境は、大切に扱う姿勢と相反する
- トイレや湿気の多い水回り:縁起物を置く場所として適さないとされている
厄除けを願う縁起物は、清潔に保ち、丁寧に扱うことが基本です。
置き場所を整えてから迎え入れる、という所作そのものが、縁起物を大切にする日本文化の一部です。
厄除け目的で招き猫を選ぶ3つのポイント
1. 何から守りたいかを先に整理する
「厄除け」とひとくちに言っても、意味は幅広く存在します。
外からの悪い気・病気・不運・人間関係のトラブルなど、何を意識して守りたいかによって、選ぶ色と置き場所が変わってきます。
外からの邪気・不運を払いたいなら黒、健康・病除けを願うなら赤、全般的な厄払いには黒と白を組み合わせる、という選び方が多く見られます。
まず「何から守りたいか」を自分なりに整理することが、招き猫選びの出発点になるでしょう。
2. 丁寧に飾れる場所を確保してから迎える
縁起物は「置けばいい」ものではありません。
清潔に保てる場所、目に入る場所、乱雑にならない環境を整えてから迎え入れることが大切です。
定期的にほこりを払い、壊れたら新しいものを迎える。
こうした所作を続けることが、招き猫を厄除けの縁起物として機能させる土台になります。
3. 金運・開運目的の招き猫と並べてもよい
厄除けの招き猫(黒・赤)と、金運・縁起全般の招き猫(白・金)を並べて飾ることは、珍しいことではありません。
「守る」と「招く」を両立させる飾り方として、多くの方に選ばれています。
ただし、並べるなら置けるスペースと清潔を保てる環境が前提です。
数を増やすことより、ひとつを丁寧に飾ることのほうが、招き猫本来の意味には沿っているといえるでしょう。
日本初の招き猫専門メディア『招き猫研究所』

招き猫研究所では、招き猫を『縁起物の雑学』ではなく、日本が育んできた文化として伝えていきたいと考えています。
色の意味や置き場所のハウツーだけでなく、窯元や産地、職人さんの想いが込められた招き猫の世界を、もっと多くの方に届けたい。
そんな思いで、記事を書いています。
「招き猫って、もっと深いんだ」と感じていただけたら、『招き猫のご利益・縁起』の記事もご覧になってみてください。
まとめ
招き猫と厄除けの関係、守りに向く色の意味、置き場所の考え方を整理してきました。
最後に要点をまとめます。
- 招き猫は「招く」だけでなく「払う」力も持つ縁起物として伝わってきた
- 厄除け・魔除けに向く色は黒(邪気払い・魔除け)と赤(病除け・厄払い)が代表的
- 白・金と組み合わせることで「守る」と「招く」を両立させる飾り方もある
- 置き場所は玄関・入口が基本。鬼門(北東)を意識する考え方も伝わっている
- 丁寧に飾り、清潔を保つことが、縁起物としての招き猫を大切に扱う基本
招き猫の「厄除け」という側面は、金運や商売繁盛に比べて知られていないことが多いです。
でも、色の背景にある日本の文化と歴史を知ると、黒や赤の招き猫を選ぶ理由が、少し違って見えてくるかもしれません。
何から守りたいかを整理したうえで、自分に合う一匹を選んでいただけたら、うれしいです。
