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招き猫の選び方

招き猫の手の高さの意味は?手長と手短の違いを解説

この記事でわかること

  • 耳より高い「手長」は遠くの大きな福を招くといわれる
  • 耳より低い手は、身近な福を招くとされる
  • 高さの基準は猫の耳で、招く福の説明は2つの公式で一致する
  • 願いの大きさと左右の意味を重ねて一体を選ぶ

招き猫の手の高さには言い伝えがあり、耳より高い「手長」は遠くの大きな福を、耳の下までの手は身近な福を招くとされます。高さを見分ける目印は、猫の耳と上げた前足の位置関係です。

同じように手を上げていても、耳を越えている猫とそうでない猫がいることに気づいたでしょうか。高さの意味と見分け方がわかれば、願いの大きさに合う一体を選べます。

日本招猫倶楽部と招き猫美術館(岡山市)の説明に、窯元で聞いた話を加えてまとめました。

招き猫の手の高さの意味

手の高さは、招く福の大きさと距離を表すといわれる要素です。上げた手が耳を越えるかどうかで、呼び名と意味が分かれます。

手長と手短が招く福の違い

耳より高く手を上げた招き猫は「手長」と呼ばれ、遠くの福や大きな福を招くとされてきました。反対に、耳より低い位置で手を上げた招き猫は、近くの福や身近な幸せを招くといいます。

耳より下の短い手は、手長と対にして「手短」と呼ばれることもあります。愛好家団体の日本招猫倶楽部と岡山市の招き猫美術館も、手の高い招き猫と低い招き猫の違いを同じように説明しました。

手の高さと招くといわれる福

呼び名手の位置招くといわれる福
手長上げた手が耳より高い遠くの福・大きな福
手短上げた手が耳より低い近くの福・身近な幸せ

二つの公式の説明は、招く福の中身までほぼ一致しています。つまり手の高さの意味は、招き猫に携わる人のあいだで広く共有されてきた言い伝えだといえるでしょう。

高さの基準は猫の耳

手長かどうかを分ける基準は、上げた手が猫の耳を越えているかどうかです。日本招猫倶楽部は、挙げた手が猫の耳を越すものを手長と定義しています。

そのため、手の高さを見るときは、前足の先と耳の先のどちらが上にあるかを比べるとわかりやすいでしょう。正面からの写真だけでなく、横からの姿も確かめると見分けやすくなります。

耳の位置は、作り手にとっても大切な部分です。研究所が取材した瀬戸の窯元、フジコウセラミックによれば、既存の型をもとに基本の形を守っているといいます。

上げる手の左右や耳の位置といった、昔からの解釈が通じる形を崩さないようにしているそうです。つまり耳と手の位置関係は、意味を伝えるために作り手が守ってきた形でもあるのです。

窯の火の加減や焼く時間についての話は、フジコウセラミックの取材記事にまとめています。

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本物の猫が前足を上げたり顔を洗ったりするしぐさと、招き猫の形との関係は次の記事で紹介しています。

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招き猫研究所が定義する手の意味

招き猫研究所では、手の高さが招く福の違いを、左右の意味とあわせて次のように定めています。

招き猫研究所の手の定義

手招き猫研究所の定義研究所の考え方
右手金運(お金を招く)右手の手招きは、お金の巡りと商いの実りを呼び寄せる
左手人招き(客と縁を招く)左手の手招きは、客・仲間・良い出会いなど、人とのご縁を呼び寄せる
両手お金と人の両方を招く右手と左手の願いを一体に重ねた姿。研究所では「お手上げ」とは読まない
手長(上げた手が耳より高い)遠くの福・大きな福を招く高く伸ばした手は、まだ見ぬ遠くの客や大きな福まで呼び寄せる
手短(上げた手が耳より低い)身近な福を招く顔のそばの手は、毎日の暮らしの中にある身近な福を呼び寄せる

この定義は、色・持ち物の定義とあわせて招き猫研究所 資料室の「招き猫研究所の定義」にまとめています。

手の高さの意味はどこから来たのか

手の高さの意味は、寺社や辞典ではなく、招き猫を愛好する人や施設が伝えてきたものです。いつ、誰が言い始めたのかは、研究所が確かめた資料からはわかりませんでした。

工芸史研究者の畑中英二氏は、研究所の取材に「ガチガチのストーリーというよりは余白がいっぱいあって、再構成されるんですよね。」と語っています。畑中氏は、右手・左手の意味のような説明も、あとから付け加わった可能性を指摘しました。手の高さの意味も、こうした縁起物の余白の中で育ってきた言い伝えと読めます。

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二つの公式が伝える言い伝え

手の高さの意味を紹介しているのは、日本招猫倶楽部と招き猫美術館です。招き猫美術館は、岡山市北区で招き猫を展示している美術館です。

朝日新聞のsippoによると、招き猫の量産が進むなかで、右手はお金、左手は人を招くといった意味が付け加えられてきました。色ごとの意味も、同じように後から加わったものです。

一方で、手の高さの意味がいつ加わったのかは、どちらの公式にも書かれていません。そのため研究所では、古くからの決まりとは書かずに、両者が伝える言い伝えとして紹介しています。

意味の由来がはっきりしないからこそ、手の高さは願いを託すための目安と考えるとよいでしょう。

手で願いを語り分ける招き猫

手の高さに意味が生まれる土台には、手招きの所作そのものが招き猫の核であることがあります。辞典でも招き猫は、人を手招きするように前足を上げた猫の置物という説明でした。

だるまと並べてみると、招き猫の手の役割がよくわかります。だるまは手足を持たない張り子のため、手の向きや高さで願いを分けることはありません。

それに対して招き猫は、どちらの手を、どこまで上げるかで招くものを語り分けてきました。左右の手に加えて高さにまで意味がある点は、手招きの姿を写した招き猫ならではの特徴です。

手・色・持ち物など、姿の要素ごとの意味は、意味の記事で一覧にしています。

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手の高さと左右・両手の組み合わせ

手の高さは、上げる手の左右と重ねて読むと、招く福の中身がはっきりします。二つの言い伝えを組み合わせると、一体に込める願いを絞り込めるためです。

右手・左手と手の高さを重ねる

左右で「何を」、高さで「どこまで」を招くかが決まる、と考えると整理しやすくなります。日本招猫倶楽部と招き猫美術館は、右手はお金、左手は人やお客を招くと紹介しています。

左右と高さの組み合わせ(二つの言い伝えを重ねた目安)

上げた手手長(耳より高い)手短(耳より低い)
右手遠くからの大きなお金の福身近なお金の福
左手遠くからの多くのお客身近な人とのつながり
両手お金と人の両方を遠くからお金と人の両方を身近に

表は、左右の言い伝えと高さの言い伝えを掛け合わせた目安です。どちらの公式も、この組み合わせ自体を決まりとして示しているわけではありません。

ただし両手の招き猫は、かつて「お手上げ」を連想させて縁起が悪いとされていたと、時事用語事典のイミダスは記しています。左右や両手の意味が生まれた背景は、別々の記事で掘り下げています。

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手の高さで選ぶ招き猫

手の高さは、願いの大きさに見合った高さを選ぶのが基本です。あわせて、招き猫をどの高さに置くかも考えておくと、迎えたあとに迷いません。

叶えたい願いの大きさで選ぶ

叶えたい望みの大きさに応じて手の高さを選ぶと、一体に願いを託しやすくなります。遠くからの客や大きな商いを願うなら手長、家族や常連客との縁を大切にしたいなら手短が目安です。

ただし、手の高さは一体ごとに自由に変えられるものではありません。招き猫は型を使って作られるため、手の高さは型の段階でほぼ決まっています。

研究所の取材で梅月冨本人形園の冨本さんは、同じ型でも筆の入れ方のわずかな違いで雰囲気が大きく変わると語りました。そのため、手の高さで絞り込んだあとは、顔つきや絵付けを見比べて選ぶとよいでしょう。

小判などの持ち物と手を組み合わせる考え方や、願いから一体を選ぶ手順は、次の2本で紹介しています。

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招き猫を置く位置

招き猫を置く位置に、決まった作法はありません。日本招猫倶楽部はQ&Aで、飾り方には特に決まりがないと答えています。

同倶楽部によると、庶民の信仰の対象だった昔は、少し高い場所に安置して水などを供えたようです。そのうえで、身近に置いていつも目に付くようにすると、福を呼び込んでくれるだろうと添えています。

つまり、手の高さが耳を越えているかどうかと、置く台の高さは別の話です。手長の招き猫だから高い場所に置く、といった決まりも公式には見当たりません。

店先・玄関・縁側といった置き場所ごとの考え方や、置く場所に合う大きさは、別の記事で詳しく扱いました。

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毎日目に入る棚に置くなら、手の高さだけでなく、置き場所に収まる大きさも選ぶ理由になります。株式会社日本招き猫総合研究所は、招き猫研究所を運営しながら「Luxen Maneki」というブランドも手がけています。白の招き猫「花筏」は、高さ9cm、幅と奥行きが5cmの瀬戸焼です。

よくある質問

Q. 同じ招き猫なのに、手の高さが違うのはなぜですか?

A. 招き猫は型を使って作られるため、型が違えば手の高さも変わります。瀬戸の窯元も研究所の取材に、耳の位置を含め、昔からの意味が読み取れる形を守っていると話しています。手の高さは、その一体がどの型から作られたかによって決まると考えてよいでしょう。

Q. 手長の招き猫は、手の低い招き猫より縁起がいいのですか?

A. 手長は遠くの大きな福、低い手は身近な幸せを招くとされ、どちらが上ということはありません。招く福の種類が違うだけなので、叶えたい願いに合う高さを選ぶのが自然です。置くだけで福が来ると約束された縁起物ではない点も、あわせて心に留めておきましょう。

Q. 通販の写真で手の高さを確かめるには?

A. 上げた前足の先と、耳の先のどちらが高い位置にあるかを見比べてください。日本招猫倶楽部は、挙げた手が耳を越すものを手長と呼んでいます。正面の写真では前足と耳が重なって見えることもあるため、横や斜めからの写真があれば一緒に確かめると安心です。

招き猫研究所がつくる招き猫「Luxen Maneki」

手の高さに正解がない以上、最後はどんな作り手の仕事に惹かれるかで選んでもよいはずです。ただ、写真だけでは手描きの一体と量産品の差が見えにくい、と感じる人もいるでしょう。

招き猫研究所がつくる瀬戸焼の「Luxen Maneki」は、注文を受けてから伝統窯の職人が一体ずつ仕上げています。金彩も職人の手描きで、届くまでの期間は約4〜6週間です。

お届けには特製の桐箱を使っています。桐は湿気を吸ったり吐いたりして、箱の中の湿度の変化をやわらげる素材です。

まとめ

招き猫の手の高さは、耳を越える「手長」なら遠くの大きな福、低い手なら身近な福を招くといわれます。この説明は、日本招猫倶楽部と招き猫美術館の二つの公式で一致しています。

ただし、いつ生まれた意味なのかを示す資料はなく、願いを託すための目安として受け止めるのが自然です。左右の意味と重ねると、一体に込める願いをさらに絞れます。

選ぶときは叶えたい願いの大きさから手の高さを決め、前足の先と耳の位置を見比べて確かめましょう。置く場所に決まりはないため、毎日目に入る場所に迎えてください。