この記事でわかること
- 招き猫の大きさは号数で表されることが多い
- 常滑の窯元では3号が高さ10cm、10号が約33cm
- 大きいほど値段が上がり、色によっても差がある
- 置く場所の寸法を測ってから大きさを決める
招き猫の大きさは、「3号」「10号」のような号数で表されることが多く、号数が大きいほど背が高くなります。常滑の窯元の場合、高さ約10cmの小さな一体から約60cmの大きな一体までそろっています。
ただ、号数だけを見ても、実際にどのくらいの大きさなのかは想像しにくいものです。号数ごとの寸法と値段の目安がわかれば、置く場所に合う一体を無理なく選べます。
窯元と寺の公式情報、研究所の取材をもとに、大きさの目安と決め方を整理しました。
招き猫のサイズの目安
招き猫のサイズは、号数と高さ・幅・奥行きの3つの寸法で確かめるのが確実です。号数は作り手が付ける大きさの区分で、寸法とあわせて見ると実物の大きさをつかめます。
号数と寸法の目安
常滑焼(愛知県常滑市)の梅月冨本人形園は、号数ごとの寸法を公開しています。3号の高さ10cmから、15号の高さ48cmまでが、商品ごとに示されていました。
同園の公式サイトでは、大きさは高さ約10cmから約60cmまでとされ、20号まで並べた写真も掲載されていました。
梅月冨本人形園の招き猫の号数と寸法(白・2026年10月時点)
| 号数 | 高さ | 横幅 | 奥行き |
|---|---|---|---|
| 3号 | 10cm | 6.5cm | 6cm |
| 4号 | 13cm | 9.5cm | 8.5cm |
| 5号 | 16cm | 11cm | 10cm |
| 6号 | 19cm | 13.5cm | 12.5cm |
| 7号 | 23cm | 16.5cm | 14cm |
| 8号 | 25cm | 18cm | 16cm |
| 10号 | 33cm | 23.5cm | 22cm |
| 13号 | 43cm | 28cm | 27cm |
| 15号 | 48cm | 32cm | 31.5cm |
表のとおり、号数が上がるにつれて高さだけでなく、横幅と奥行きも広がっていきます。10号になると高さは30cmを超え、奥行きも20cmを超えてきます。
なお、号数と寸法の対応は、この記事では同園の表示で確かめたものです。そのため、ほかの作り手の招き猫を選ぶときは、号数より商品ごとの寸法表示を確かめてください。
大きさで変わる値段
招き猫の値段は、大きくなるほど高くなるのが、確かめた窯元と寺に共通する傾向です。梅月冨本人形園の白い招き猫では、3号の2,420円に対し、10号は19,030円と8倍近い差があります。
梅月冨本人形園の白い招き猫の値段(税込・2026年10月時点)
| 号数 | 値段 |
|---|---|
| 3号 | 2,420円 |
| 5号 | 4,290円 |
| 8号 | 11,000円 |
| 10号 | 19,030円 |
| 13号 | 36,850円 |
| 15号(小判2枚) | 66,000円 |
出典:梅月冨本人形園「招き猫 白」商品一覧
出典:梅月冨本人形園「招き猫 金」商品一覧
同じ大きさでも、色によって値段は変わります。たとえば10号は、白が19,030円、黒と赤が23,980円で、金は44,000円です。
寺で授かる招き猫も、大きさで値段が分かれます。東京都世田谷区の豪徳寺が授ける招福猫児(まねきねこ)も、大きさによって値段が違います。公式サイトの案内では、500円から10,000円までと幅のある値段です(2026年10月時点)。
ただし豪徳寺の公式サイトには、大きさごとの寸法や値段は載っていません。品不足で大きさによっては欠品することもあるため、訪ねる前に最新の案内を確かめましょう。
招福猫児の授かり方や寺務所の受付時間は、豪徳寺の記事にまとめました。
小さな招き猫と大きな招き猫
招き猫には、手のひらに収まるものから、見上げるほど大きなものまであります。大きさが違うと、飾り方だけでなく使い道まで変わってきます。
手のひらに収まる小さな招き猫
小さな招き猫は、机の上や棚の隅にも置ける手軽さが魅力です。豪徳寺でも、ケースに入った豆の招福猫児を1,000円で授けています(2026年10月時点)。
一方で、小さな招き猫ならではの注意点もあります。梅月冨本人形園は、小さいサイズの招き猫は貯金箱として使う際に、お金の出し入れができない場合があると案内しています。
招き猫には、貯金箱を兼ねたものも作られてきました。
つまり小さな一体は、置き場所を選ばない反面、貯金箱としての使い勝手は大きさによって変わります。貯金箱として使いたいなら、硬貨の出し入れができる大きさかを先に確かめましょう。
見上げるほど大きな招き猫
大きな招き猫の代表が、常滑の「とこにゃん」です。観光庁の解説文によると、高さ3.8m、幅6.3mの巨大な招き猫で、日本最大級とされています。
とこにゃんは、とこなめ招き猫通りの途中にある塀の上から、頭と左の前足だけを出しています。2007年に生まれ、駅に着いた人を出迎える撮影スポットとして親しまれてきたそうです。
一方で、家や店に置く大きな招き猫としては、梅月冨本人形園の高さ約60cmが上限の目安になります。高さが60cm近くになると、棚の上より床や台の上が置き場所の候補になるでしょう。
とこにゃんが見守る常滑の町と、常滑焼の招き猫が生まれた背景は、産地の記事で詳しく紹介しています。
常滑の6体や名古屋・大須など、見上げるほど大きな招き猫に会える場所は、次の記事にまとめました。
置き場所から決める招き猫の大きさ
招き猫の大きさは、置く場所の寸法から逆算して決めると失敗しません。号数や値段より先に、どこに置くかを決めておくことが近道です。
置く場所の寸法を測る
置く場所が決まったら、幅・奥行き・高さの3つを測ってから号数を選びましょう。招き猫の飾り方について、日本招猫倶楽部は特に決まりがないとQ&Aで答えています。
そのうえで同倶楽部は、身近な場所に置き、普段から目に入るようにすることを勧めています。そのため、毎日目にする棚や入口の近くに収まる大きさを探すのが現実的です。
置き場所と大きさを決めるときに見る点
| 置き場所 | 測る寸法 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 棚・机の上 | 奥行きと上の棚までの高さ | 手前にはみ出さないか |
| 玄関の靴箱の上 | 天板の奥行きと幅 | 扉の開け閉めで当たらないか |
| 店のレジ・入口 | 置ける台の幅と奥行き | 客の動線をふさがないか |
| 床 | 置く場所の広さ | 足を引っかけないか |
焼き物の招き猫は、落とすと割れてしまいます。だからこそ、表の寸法には少し余裕を持たせ、奥行きいっぱいの大きさは避けると安心です。
店先・玄関・縁側など、場所ごとの願いや置き方も、それぞれの記事で詳しく扱いました。
棚や靴箱の上に置くなら、高さ10cm前後の一体は収まりやすい大きさです。株式会社日本招き猫総合研究所(招き猫研究所の運営会社)は、「Luxen Maneki」も展開しています。その中の白い招き猫「花筏」は、高さ9cmで、幅も奥行きも5cmの瀬戸焼です。
大きさに込められてきた考え方
招き猫の大きさには、年月をかけて大きな一体へ替えていくという考え方も伝わっています。大きなものを縁起がよいとする感覚は、ほかの縁起物にも見られるものです。
住吉大社の小猫から大猫へ
大阪の住吉大社では、小さな招き猫を集めて、大きな招き猫と交換する習わしがあります。毎月最初の辰の日に、境内の楠珺社(なんくんしゃ)で小猫を1体ずつ授かる「初辰(はったつ)まいり」です。
住吉大社の初辰まいりで招福猫が大きくなる流れ
| 年数 | そろえるもの | 交換する招福猫 |
|---|---|---|
| 4年 | 小猫48体 | 中猫1体 |
| 12年目 | 中猫2体と小猫48体 | 大猫1体 |
| 24年 | 左右の手招きの大猫 | 大願成就 |
公式サイトは、自らの努力で年月をかけ、小猫から大猫へ進んでいく習わしだと説明しています。つまり住吉大社の招福猫は、大きさそのものが参り続けた年月の証になっているのです。
48体という数に込められた語呂合わせや、招き猫を何体迎えるかの考え方は、数の記事で紹介しています。
熊手を毎年大きくする縁起担ぎ
大きくしていく縁起物の代表が、酉の市で売られる熊手です。研究所の取材に応じた民俗学者の島村恭則氏は、商売人が熊手に5万円、10万円と払い、毎年大きくしていく例を挙げました。
浅草の酉の市を開く長國寺によると、熊手はもともと落ち葉をかき込む実用の道具でした。それが江戸っ子好みの縁起熊手に変わり、浅草ではずっと大きく華やかな熊手も現れたと伝えています。
浮世絵研究者の大久保範子氏も、取材で「大きいものには神様が宿る」という感覚に触れました。江戸の人々は大きな力士の手形を縁起物として扱い、大きいこと自体を重んじていたといいます。
ただし、招き猫を毎年大きくしなければならないという決まりはありません。住吉大社のように、続けた年月が大きさに表れる形があることを知っておくと、大きさを選ぶ楽しみが広がるでしょう。
人が縁起物に手を合わせる理由や、江戸の縁起物の感覚は、それぞれのインタビューで詳しく読めます。
よくある質問
Q. 招き猫の号数は、どの作り手でも同じ大きさですか?
A. 研究所が寸法を確かめられたのは、常滑の梅月冨本人形園の表示だけです。同園では3号が高さ10cm、10号が33cmでしたが、ほかの作り手が同じ基準かどうかは確認できていません。号数で選ぶときも、商品ごとに書かれた高さ・幅・奥行きを確かめると安心です。
Q. 豪徳寺の招福猫児は、どのくらいの大きさがありますか?
A. 公式サイトの案内は、大きさに応じて500円から10,000円という値段の幅までです。大きさごとの寸法は載っていません(2026年10月時点)。品不足で大きさによっては欠品する場合もあるそうです。授かりたい大きさがあるなら、寺務所を訪ねて実物を見て選ぶとよいでしょう。
Q. 招き猫を贈るときは、どの大きさを選べばいいですか?
A. 相手が置く場所に収まる大きさを選ぶのが基本です。店に贈るならレジや入口まわり、家に贈るなら棚や靴箱の上など、置く場所の寸法をそれとなく聞いておくと選びやすくなります。小判などに名前を入れてくれる窯元もあるため、大きさとあわせて相談するとよいでしょう。
招き猫研究所がつくる招き猫「Luxen Maneki」
置く場所に合う大きさが決まったら、その大きさの中で、どんな仕事がされた一体かにも目を向けてみてください。量産の招き猫と見比べたとき、どこが違うのか気になる人もいるでしょう。
瀬戸焼で作られる「Luxen Maneki」も、招き猫研究所がつくる招き猫のひとつです。伝統窯の職人が手描きで金彩を入れ、注文から約4〜6週間をかけて一体ずつ仕上げます。
お届けの際は、特製の桐箱に納めています。桐は熱が伝わりにくく気密性も高いため、外の温度や湿度の変化を受けにくい木です。
まとめ
招き猫の大きさは、号数と高さ・幅・奥行きで確かめるのが基本です。常滑の梅月冨本人形園では、3号が高さ10cm、10号が約33cmで、大きさは約60cmまであります。
値段は大きいほど高くなり、同じ号数でも色によって差があります。豪徳寺の招福猫児も、大きさに応じて500円から10,000円です(2026年10月時点)。
選ぶときは、置く場所の寸法を測ってから号数を決めましょう。住吉大社の初辰まいりのように、年月をかけて大きな一体へ替えていく楽しみ方もあります。







