この記事でわかること
- 大須の招き猫は大須商店街のふれあい広場にいる
- 高さ約2.2mで、左手を挙げた「人招き」の招き猫
- 柱の招き猫や季節の装いも見どころになっている
- 名古屋からは瀬戸・常滑の招き猫のまちへも行ける
大須の招き猫は、名古屋市中区の大須商店街にある「ふれあい広場」にいます。高さ約2.2mの大きな招き猫で、商店街の公式アカウントでも大須を象徴する存在として取り上げられてきました。
寺社の授与品ではないため、お守りのように授かるものではありません。それでも、左手の意味や柱に隠れた猫、季節ごとの装いは押さえておく価値があります。待ち合わせの数分が、ちょっとした見物の時間になるでしょう。
大須商店街の公式サイトと公式X、名古屋市観光情報、名古屋市博物館、地元の報道をもとにまとめました。後半では、名古屋から電車で行ける瀬戸と常滑の招き猫スポットも紹介します。
大須の招き猫はふれあい広場にある

「大須 招き猫」で探して行き着くのは、東仁王門通と新天地通が出会うふれあい広場です。まずは場所と大きさ、挙げている手を押さえておきましょう。
大須の招き猫のポイント
- 大須商店街のふれあい広場に座る、高さ約2.2mの招き猫
- 左手を挙げ、「人招き」「良縁招き」と呼ばれている
- 寺社の授与品ではなく、商店街のシンボルとして親しまれている
ふれあい広場の巨大招き猫の基本情報
大須の招き猫は、屋根のかかった広場の中に座っているため、雨の日でも見に行けます。場所や大きさなど、訪ねる前に知りたい情報を表にまとめました。
大須の巨大招き猫の基本情報(2026年10月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 大須商店街「ふれあい広場」(名古屋市中区大須3丁目) |
| 面している通り | 東仁王門通と新天地通 |
| 大きさ | 高さ約2.2m |
| 挙げている手 | 左手(「人招き」「良縁招き」と呼ばれる) |
| 広場の屋根 | 2010年3月に完成 |
| 最寄り駅 | 地下鉄の上前津駅・大須観音駅 |
| 問い合わせ | 大須商店街連盟(052-261-2287) |
広場の屋根は、2010年3月25日に竣工式を迎えました。当時の新天地通商店街振興組合の理事長は、屋根がなく雨の日のイベントに苦労してきたと式で振り返っています。
ただし、招き猫をいつ・誰が置いたのかは、商店街の公式サイトや名古屋市の観光情報では確かめられませんでした。一方で名古屋市博物館の記事から、2007年には広場にいたことがわかります。
その経緯は、このあとの見どころの節で紹介します。つまり大須の招き猫は、少なくとも20年近く、この広場で人を迎えてきた猫だといえるでしょう。
左手を挙げた「人招き」の招き猫
大須の招き猫は、左手を挙げた姿をしています。大須商店街の公式Xは、この猫が「人招き」「良縁招き」などと呼ばれていると紹介しました。
招き猫の左右には、右手はお金を、左手は人を招くという言い伝えがあります。とはいえ決まった規則ではなく、寺社や作り手によって意味づけが変わることもあるのが実情です。
そのうえで大須の猫を眺めると、人の行き来で成り立つ商店街に合った手だと気づくでしょう。客を呼び込みたい店が集まる場所に、人を招く手の猫が座っているわけです。
また、だるまや熊手と違い、招き猫は人が手招きする仕草を写した縁起物です。待ち合わせで人が集まる広場に、手招きする猫が座っている姿は、縁起物の性格にもかなっています。
左右の手の意味がどこから来たのかは、右手と左手の違いを扱った記事で整理しました。
ふれあい広場の巨大招き猫の見どころ
大きな招き猫だけを見て帰るのは、少しもったいない場所です。柱に隠れた猫、季節の装い、博物館に残る分身まで知ると、広場の見え方が変わります。
見どころのポイント
- 屋根を支える柱にも、文字入りの招き猫がいる
- 映画の公開やクリスマスにあわせて、招き猫が装いを変える
- 2007年には、この猫を手本にした張り子が祭りの行列に出た
柱の招き猫と金・銀の柱
広場の屋根を支える柱にも、小さな招き猫がひそんでいます。商店街の公式Xによると、柱の猫には「千客万来」「必勝」「Love」「千万両」などの文字が書かれているとのことです。
屋根を支える柱は5本あり、そのうち2本が金色と銀色に塗られました。金色の柱は東仁王門通に、銀色の柱は新天地通に面しています。
この配置は、商店街対抗の「金の玉転がし競争」の勝敗で決めたものです。競争は屋根ができる前年の2009年10月に開かれたと、サカエ経済新聞が伝えています。
通りどうしで競い合って柱の色を決めたところに、いくつもの通りが集まる大須らしさがうかがえます。金と銀のどちらの通りに立っているかを確かめるのも、広場の楽しみ方の一つでしょう。
さらに、上前津駅の8番出口近くにある新天地通の南側のアーチにも、招き猫のイラストが描かれています。そのため広場に着く前から猫を探して歩くと、商店街の入口から楽しめるでしょう。
季節や映画にあわせて変わる装い
大須の招き猫は、ときどき衣装をまとって姿を変えます。2019年の夏には、映画「ライオン・キング」の公開にあわせてライオンに変身したと公式Xが伝えました。
2024年12月には、続編の「ライオン・キング:ムファサ」をイメージした姿になりました。サカエ経済新聞によると、たてがみを模した飾りを付け、台座も「プライド・ロック」風に仕立てたといいます。
冬にはサンタクロースの衣装を着ることもあり、中日新聞は2022年12月にその姿を報じました。また招き猫の日の9月29日に、猫がきれいに磨かれていたと公式Xが投稿した年もあります(2016年)。
つまり大須の招き猫は、訪ねる時期によって姿が違う招き猫です。装飾の時期は毎年決まっているわけではないため、出かける前に商店街の公式Xをのぞいておくとよいでしょう。
9月29日が招き猫の日とされる理由は、記念日の記事で紹介しています。
名古屋市博物館に生まれた張り子の招き猫
大須の招き猫には、張り子でつくられた分身がいました。名古屋市博物館の資料紹介によると、平成19年(2007年)のお鍬祭り(おくわまつり)の行列のために作られたものです。
お鍬祭りは、鍬の形の枝を神体として村から村へ送り継ぐ祭りです。尾張ではおよそ60年ごとに流行し、博物館はこの年、瑞穂通商店街・大須商店街と共催で行列を再現しました。
このとき、毎秋の大須大道町人祭を支えるボランティアの人たちが選んだ造り物が招き猫でした。モデルは大須ふれあい広場の招き猫で、招き猫は大須商店街の象徴だからというのが理由だったと博物館は記しています。
分身の大きさは180cmほどで、角材の芯に展開図を組み、新聞紙を重ねてから色を塗って仕上げました。最後の色付けを主に担ったのは、美術大学の学生だったそうです。
同じ年の10月19日には、第30回を迎えた大須大道町人祭の前夜祭に合わせ、大須でもお鍬祭りが開かれました。この招き猫も商店街を練り歩いています。
その後は博物館の常設展に置かれましたが、令和5年(2023年)からのリニューアル休館で役目を終える予定と記されています。
だからこそこの記録は、2007年の時点で大須の招き猫がすでに街の顔だったことを伝える貴重な証言です。いまは見られない分身ですが、広場の猫を見上げるときに思い出してみてください。
ふれあい広場への行き方と周辺の見どころ

ふれあい広場へは、地下鉄の上前津駅8番出口から向かうのが近道です。広場のまわりには大須観音や万松寺もあり、招き猫とあわせて歩けます。
上前津駅8番出口からの行き方
大須商店街の最寄り駅は、地下鉄の上前津駅と大須観音駅です。名古屋市観光情報によると、どちらの駅からも商店街まで歩いて2〜3分で着きます。
ふれあい広場への行き方(2026年10月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 名古屋市中区大須3丁目(大須商店街内) |
| 上前津駅から | 地下鉄名城線・鶴舞線。8番出口または12番出口から商店街まで徒歩2分 |
| 大須観音駅から | 地下鉄鶴舞線。2番出口から商店街まで徒歩3分 |
| 名古屋駅から | 地下鉄東山線で伏見駅へ行き、鶴舞線に乗り換えて大須観音駅まで約15分 |
| 雨の日 | 上前津駅の8番出入口から、濡れずに商店街の中心部まで行ける |
| 車の場合 | 商店街の周辺に大型駐車場やコインパーキングがある |
出典:名古屋市観光情報【公式】「大須商店街」
出典:名古屋市観光情報【公式】「魅惑のまち『大須商店街』食べ歩き&夜景まちぶらコース」
出典:大須商店街【公式】X(2025年8月8日の投稿)
出典:大須商店街 公式サイト「大須へのアクセス」
雨の日でも濡れずに歩けるのは、広場の屋根で駅の出口からアーケードが途切れずにつながったためです。サカエ経済新聞によると、それまでの広場は商店街でアーケードが唯一途切れる場所でした。
そのため、はじめて訪ねるなら上前津駅の8番出口を目指すのが確実です。地上に出たら、招き猫のイラストが入った新天地通のアーチをくぐって広場へ向かいましょう。
大須観音と大須の招き猫の関係
大須観音と広場の招き猫は、同じ大須にあっても別のものです。大須の招き猫は商店街のシンボルで、大須観音がまつったり授けたりしている猫ではありません。
ただし、大須という地名と街の成り立ちは大須観音と深く結びついています。慶長17年(1612年)、真福寺(大須観音)は家康の命によって、いまの岐阜県羽島市の大須から移されました。
その門前町として栄えた一帯が、やがて「大須」と呼ばれるようになったと大須商店街は紹介しています。つまり大須の招き猫は、観音さまの門前町が育てた商店街のシンボルという位置づけです。
大須観音では、毎月18日と28日の縁日に境内で骨董市が開かれます。また毎年10月の第1木曜日には、古くなった人形を供養する人形供養がおこなわれ、2026年は10月1日でした。
ただし大須観音の案内には、招き猫を人形供養に持ち込めるかどうかまでは書かれていません。持ち込む前に、案内にある問い合わせ先の中部人形節句品工業協同組合へ確かめましょう。
古くなった招き猫の手放し方は、寺社や自治体の案内をもとに別の記事でまとめました。
万松寺のからくり人形と大須案内人
ふれあい広場の近くでもう一か所立ち寄るなら、織田信長の父・信秀ゆかりの万松寺があります。境内で見られるのが、信長の場面を演じるからくり人形「信長」です。
からくり人形は、父の葬儀で信長が抹香を投げる場面と、桶狭間の戦いの前に「幸若舞」を舞う場面を演じます。名古屋市観光情報によると、上演は10時から2時間おきで、最後の回は18時です(2026年10月時点)。
一方で街の歩き方に迷ったら、ふれあい広場にいる「大須案内人」に声をかける方法もあります。大須商店街によると、案内人は大須検定に合格した街の詳しい人たちです。
土日の13時から16時ごろに、ふれあい広場を拠点に案内をしています。ただし個人やグループ向けのガイドツアーはおこなっていないと、商店街は断っています。
つまり広場の招き猫は、大須を歩きはじめる起点にもなる場所です。招き猫を見上げたら、案内人に話を聞いてから寺町と商店街をめぐるのもよいでしょう。
名古屋から行ける招き猫のまち(瀬戸・常滑)
名古屋で招き猫をもっと見たいなら、電車で約30分の瀬戸と常滑まで足をのばせます。どちらも招き猫の産地で、街のシンボルとは違う、作り手のまちの招き猫に出会えるでしょう。
名古屋から行ける招き猫のまち(2026年10月時点)
| まち | 出会える招き猫 | 名古屋からの電車 |
|---|---|---|
| 瀬戸市 | すらりとした磁器の招き猫、まちなかの「福(29)猫」、9月末の来る福招き猫まつり | 名鉄栄町駅から名鉄瀬戸線で尾張瀬戸駅まで約30分 |
| 常滑市 | 二頭身の陶器の招き猫、とこなめ招き猫通りの「とこにゃん」、高さ6.5mの「おたふく」 | 名鉄名古屋駅から常滑線の特急で常滑駅まで約30分 |
二つの産地は、招き猫を作りはじめた時期が違います。Aichi Nowによるとまず瀬戸が量産を始め、常滑は瀬戸より50年ほど遅れて招き猫づくりに取り組みました。
その差が、細身の瀬戸系と丸い常滑系という姿の違いにもつながっています。二大産地の成り立ちを一枚の地図のように見渡したいときは、愛知の招き猫の記事が役立つでしょう。
瀬戸の招き猫と来る福招き猫まつり
瀬戸の招き猫は、スリムで上品な磁器の猫です。Aichi Nowによれば、前掛けのフリルのような細部まで表せるのが瀬戸系の持ち味です。形も一つに決まっておらず、さまざまなポーズの猫がいます。
にしだあつこさんのデザインによる「福(29)猫」も、瀬戸のまちなかのあちこちに隠れているそうです。あわせて毎年9月末の土日には、まちが招き猫一色になる「来る福招き猫まつり in 瀬戸」が開かれます。
名古屋の中心からは、地下鉄東山線で栄駅へ行き、歩いてすぐの名鉄栄町駅から瀬戸線に乗ります。終点の尾張瀬戸駅までは約30分です。
大須の招き猫を見たあとに足をのばすなら、まつりの時期に合わせると、まち全体で招き猫を楽しめます。瀬戸焼の招き猫の特徴や歴史は、瀬戸の記事で詳しく紹介しています。
瀬戸の招き猫を知ると、いまの瀬戸ではどんな招き猫が生まれているのか、と興味がわいた人もいるかもしれません。当研究所を運営する株式会社日本招き猫総合研究所は、瀬戸焼の招き猫のブランド「Luxen Maneki」を手がけています。
六古窯のひとつ、瀬戸焼の伝統窯の職人が手描きの金彩を一体ずつ施した招き猫です。
常滑のとこにゃんと巨大招き猫
「名古屋 巨大招き猫」で探すなら、大須より大きな招き猫は常滑で見られます。常滑系の招き猫は、大きな耳と丸い顔、二頭身の姿が目印です。
常滑系招き猫の生産量は全国で一番多いと、常滑市は紹介しています。市内の招き猫は大小で50体を超え、そのうち巨大な招き猫だけでも6体を市が案内しています。
大須と常滑の巨大招き猫の大きさ(2026年10月時点)
| 招き猫 | 場所 | 大きさ |
|---|---|---|
| 大須の招き猫 | 名古屋市中区・大須商店街ふれあい広場 | 高さ約2.2m |
| とこにゃん | 常滑市・とこなめ招き猫通り | 高さ3.8m・幅6.3m |
| おたふく | 常滑市・イオンモール常滑 | 高さ6.5m |
とこにゃんは、壁から顔を出す「見守り猫」です。とこなめ招き猫通りには、地元ゆかりの作家が手がけた陶器の猫も39体並んでいます。
名鉄名古屋駅からは常滑線の特急で、常滑駅まで約30分です。とこなめ観光協会の案内では、大人の運賃は750円でした。
つまり、名古屋市内で見上げる招き猫なら大須、もっと大きな猫を見たいなら常滑が選びどころです。とこなめ招き猫通りの回り方は、通りの記事で詳しく紹介しました。
常滑の巨大招き猫6体の場所と、駅から順に回るルートは次の記事で紹介しています。
よくある質問
Q. 「大須まねき猫」と大須の招き猫は同じものですか?
A. 同じ招き猫です。大須商店街の公式Xは、ふれあい広場の招き猫を「大須まねき猫」「まねき猫」とも書いてきました。催しの会場名にも「ふれあい広場(まねき猫)」と添えられることがあり、地元では広場そのものの目印として呼ばれています。
Q. 大須の招き猫の前では、どんな催しがありますか?
A. ふれあい広場は、大須の催しの会場によく使われます。公式Xでは、ラテンアメリカフェスティバルや国際交流音楽祭の会場として案内されてきました。2026年の国際交流音楽祭は6月7日で、大須夏まつりの会場にもなっています。開催日は商店街の公式サイトのお知らせで確かめてください。
Q. 大須観音で招き猫は授かれますか?
A. 2026年10月時点で、大須観音の公式サイトの祈願や行事の案内に、招き猫の授与は見当たりませんでした。大須の招き猫は商店街のシンボルなので、寺の授与品とは別のものです。招き猫を授かれる全国の寺社は、寺社を地域別にまとめた記事で探せます。
Q. 大須の招き猫の写真素材はありますか?
A. 名古屋市観光情報のフォトライブラリーに「大須 巨大招き猫」の写真があります。利用規定に同意してアカウントを登録すると、ダウンロードできる仕組みです。使い道が合っているかどうかは、フォトライブラリーの利用規定で確かめてください。
招き猫研究所がつくる瀬戸焼の招き猫「Luxen Maneki」
大須の招き猫は、街に人を招くための大きなシンボルです。見上げたあとで、家や店にも一体迎えたいと感じた人もいるでしょう。
とはいえ、量産の招き猫とどこが違うのか迷うかもしれません。「Luxen Maneki」は、株式会社日本招き猫総合研究所のブランドです。六古窯の一つに数えられる瀬戸焼の窯で、金の彩りを職人の手描きで一体ごとに入れている点が、違いといえるでしょう。
一体ずつ注文を受けてから作るため、お届けまでは約4〜6週間かかります。完成した一体は、特製の桐箱に入れてお送りしています。
まとめ
大須の招き猫は、大須商店街のふれあい広場にいる高さ約2.2mの招き猫です。挙げているのは左手で、商店街では「人招き」「良縁招き」とも呼ばれ、2007年にはすでに街の象徴として選ばれていました。
訪ねるときは上前津駅の8番出口から歩き、柱の猫や新天地通のアーチも探してみてください。衣装をまとう時期は、商店街の公式Xで確かめられます。
招き猫をもっと見たくなったら、電車で約30分の瀬戸と常滑へ向かいましょう。作り手のまちで、大須とは違う招き猫に出会えるはずです。






