この記事でわかること
- 招き猫の日は9月29日で、1995年に定められた
- 由来は「来る福」と読める数字の語呂合わせ
- 2月22日は猫の日で、招き猫の記念日とは別の日
- 伊勢と瀬戸では毎年秋に招き猫の祭りが開かれる
招き猫の日は9月29日です。数字を「来る福(くるふく)」と読む語呂合わせから、愛好家の団体が1995年に定めた記念日です。
2月22日の「猫の日」と混同されることもありますが、定めた団体も祝う対象も異なります。記念日の成り立ちを知ると、秋に各地で開かれる招き猫の祭りの意味も見えてくるでしょう。
記念日を定めた団体と祭りの主催者の公式サイト、辞典、報道をもとに、日付の由来と祭りの歩みをまとめました。祭りの日程は2026年10月時点で確かめた内容です。
招き猫の日とは
招き猫の日とは、9月29日を「来る福」と読ませて、招き猫に感謝する日です。招き猫の愛好家が集まる日本招猫倶楽部が定め、記念日を登録する団体にも認められています。
招き猫の日の要点
- 日付は9月29日で、「来る福」と読む語呂合わせが由来
- 1995年に日本招猫倶楽部が定め、日本記念日協会に認定された
- 倶楽部は1993年に生まれた、全国の招き猫愛好家の団体
9月29日が招き猫の日になった由来
招き猫の日が9月29日なのは、「9」を「く」、「29」を「ふく」と読むと「来る福」になるためです。日々福を招いてくれる招き猫に、年に一度は感謝する日があってもよいという思いから生まれました。
招き猫の日の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日付 | 9月29日 |
| 読み方 | 「来る福(くるふく)」 |
| 制定した年 | 1995年(平成7年) |
| 制定した団体 | 日本招猫倶楽部 |
| 記念日の認定 | 日本記念日協会 |
制定の年は、倶楽部の公式サイトでは1995年、おかげ横丁の案内では平成7年と書かれ、どちらも同じ年を指しています。おかげ横丁によると、この日は日本記念日協会にも正式に認められました。
つまり招き猫の日は、手招きして福を呼ぶ招き猫の役目を、日付に読み込んだ記念日です。毎年この日の前後に、招き猫を主役にした祭りが開かれています。
招き猫の日を定めた日本招猫倶楽部
招き猫の日を定めた日本招猫倶楽部は、1993年に生まれた全国規模の招き猫の愛好家団体です。招き猫を集める人だけでなく、一体も持っていなくても招き猫が好きなら入会できると、公式サイトで呼びかけています。
倶楽部の活動は、記念日の広報にとどまりません。公式サイトで紹介されている主な取り組みは、次のとおりです。
- 会報誌「福の素」の発行
- 「来る福招き猫まつり」の企画協力
- 瀬戸の「にっぽん招き猫100人展」の企画協力
- 瀬戸の「復刻招き猫」の制作企画への協力
そのため招き猫の日は、愛好家の集まりが記念日をつくり、産地の祭りへと広げてきた日だといえるでしょう。記念日の背後に、集める人と作る人のつながりがあります。
倶楽部が生まれた平成の招き猫の動きは、江戸から現代までの通史の中で整理しています。記念日のほかにも人に話したくなる話は、雑学の記事に集めました。
日本招猫倶楽部の設立から招き猫の日の制定、各地の祭りの始まりまでの流れは、招き猫研究所 資料室の「招き猫年表」平成・令和の項でも年代順に確かめられます。
招き猫の日と猫の日(2月22日)の違い
2月22日は「猫の日」で、招き猫の記念日として定められた日ではありません。どちらも語呂合わせの記念日ですが、定めた団体も、祝う対象も異なります。
2月22日の猫の日との比較
猫の日は、猫の鳴き声「ニャン・ニャン・ニャン」を2月22日に重ねた記念日です。辞典によると、定めたのはいまのペットフード協会の前身である工業会が主催した委員会でした。
招き猫の日と猫の日の違い
| 項目 | 招き猫の日 | 猫の日 |
|---|---|---|
| 日付 | 9月29日 | 2月22日 |
| 語呂合わせ | 「来る福(くるふく)」 | 「ニャン・ニャン・ニャン」 |
| 制定した年 | 1995年(平成7年) | 1987年(昭和62年) |
| 定めた団体 | 日本招猫倶楽部 | ペットフード工業会(現・ペットフード協会)の主催する委員会 |
| 祝う対象 | 福を招く縁起物の招き猫 | 人と暮らす生きた猫 |
ペットフード協会の沿革にも、1987年に犬の日と猫の日を決めたことが記されています。猫の日の主役は、家で暮らす生きた猫です。
対して招き猫の日は、置物として福を招く招き猫に感謝する日として生まれました。猫好きの関心が重なる日ではあるものの、二つは別の記念日です。
だからこそ「招き猫の日はいつか」と聞かれたら、答えは9月29日と覚えておくと確かです。2月22日に招き猫を話題にするときは、猫の日にちなむ話として紹介するとよいでしょう。
熊手やだるまの市日との違い
招き猫の日は、寺社の縁日ではなく、平成に愛好家が定めた記念日という点で、ほかの縁起物の「日」と成り立ちが異なります。熊手が売られる酉の市は、11月の酉の日に立つ市です。
酉の寺として知られる長國寺の案内では、浅草の酉の市は明和8年(1771年)頃から盛んになりました。辞典も、11月の酉の市で熊手を売る風習は江戸時代からあったと説明しています。
縁起物と結びついた日の比べ方
| 縁起物 | 結びついた日 | 日が決まった背景 |
|---|---|---|
| 熊手 | 11月の酉の日(酉の市) | 鷲神社や長國寺の祭礼の日に市が立つ |
| だるま | 正月の七草大祭(少林山達磨寺のだるま市) | 寺の縁日にだるまが売られてきた |
| 招き猫 | 9月29日(招き猫の日) | 語呂合わせで愛好家の団体が定めた |
少林山達磨寺によると、縁起だるまは正月七草大祭の縁日に、縁起物として売られるようになりました。このように熊手もだるまも、寺社の祭礼の日に求める縁起物として育っています。
一方で招き猫には、豪徳寺や今戸など、ゆかりの寺社が複数あります。そのため一つの寺社の縁日ではなく、語呂合わせの日を愛好家が全国共通の記念日にしたのが招き猫の日の特徴です。
来る福招き猫まつり
招き猫の日の前後には、伊勢市(三重県)と瀬戸市(愛知県)の2か所で「来る福招き猫まつり」が開かれています。伊勢の祭りは記念日と同じ1995年に、瀬戸の祭りは翌1996年に始まりました。
伊勢・おかげ横丁の来る福招き猫まつり
伊勢の来る福招き猫まつりは、招き猫の日と同じ平成7年(1995年)に始まった祭りです。伊勢神宮内宮の門前町にある、おかげ横丁一帯が会場になります。
おかげ横丁の案内によると、祭りは招き猫に感謝するとともに、招き猫との出会いをつなぐ記念行事として位置づけられています。主催は実行委員会で、日本招猫倶楽部は協力団体です。
伊勢の来る福招き猫まつりの開催(2026年10月時点)
| 回 | 開催期間 | 会場 |
|---|---|---|
| 第32回 | 2026年9月19日(土)〜29日(火)※終了 | 伊勢内宮前 おかげ横丁一帯 |
2026年の第32回は、全国の招き猫作家の作品展示や、招き猫の絵付けなどの催しを用意していました。最終日の9月29日には「来る福の日」として、招き猫巡行などが開かれています。
つまり伊勢の祭りは、記念日の当日を締めくくりに置いた祭りです。翌年以降の日程や内容は、おかげ横丁の公式サイトで確認してください。
来る福招き猫まつり in 瀬戸
瀬戸の来る福招き猫まつりは、招き猫づくりの歴史が100年を超える町で生まれた祭りです。始まりは平成8年(1996年)で、磁器製の招き猫の量産に国内で最初に取り組んだのも、明治30年代の瀬戸でした。
来る福招き猫まつり in 瀬戸の開催(2026年10月時点)
| 回 | 開催日 | 会場 |
|---|---|---|
| 第31回 | 2026年9月26日(土)・27日(日)※終了 | 名鉄瀬戸線「尾張瀬戸駅」周辺ほか |
| 第32回 | 2027年9月25日(土)・26日(日)予定 | 詳細は観光協会の公式サイトで発表予定 |
出典:愛知県公式観光サイト Aichi Now「第31回 来る福招き猫まつり in 瀬戸」
出典:瀬戸市まるっとミュージアム・観光協会「第32回 来る福招き猫まつりin瀬戸(2027年)」
目玉の「にっぽん招き猫100人展」では、公募で選ばれた作家100人が、それぞれの創作招き猫を出品しました。日本招猫倶楽部も、この展示の企画に協力しています。
伊勢の祭りが招き猫の日の当日まで続くのに対し、瀬戸の祭りは9月末の土日の2日間です。そのため両方を訪ねたい人は、年ごとの日程を見比べて計画するとよいでしょう。
瀬戸の町で招き猫に出会える場所や、瀬戸焼の招き猫の特徴は、次の記事にまとめました。
伊勢と瀬戸のほかに広がる招き猫の日の催し
招き猫の日は、伊勢と瀬戸の祭りのほかにも、各地の取り組みのきっかけになっています。日本招猫倶楽部の公式サイトでは、長野県諏訪で開かれる来る福招き猫まつりも紹介されています。
自治体の例では、滋賀県彦根市が2023年9月29日に、招き猫のポーズをしたひこにゃんの新しいイラストを公開しました。このキャラクター自体が、豪徳寺に伝わる招き猫の話から生まれています。
あわせて原作者の描いた原画が、豪徳寺に奉納されたと市は発表しています。記念日にあわせて、招き猫ゆかりの寺とまちが結びついた取り組みといえるでしょう。
なお、こうした催しは年によって内容が変わります。出かける前には、主催する団体や自治体の公式サイトで、その年の情報を確かめましょう。
ひこにゃんと豪徳寺の伝説の関係や、全国の招き猫ゆかりの寺社は、次の記事で詳しく扱っています。
招き猫の日にあわせて招き猫おみくじの授与を始めた神社や、招き猫の貯金箱展を開いた博物館もあります。それぞれ次の記事で紹介しています。
瀬戸の祭りを歩くと、明治から続く産地で、いまどんな招き猫が作られているのかも気になってくるはずです。
招き猫研究所と「Luxen Maneki」は、どちらも株式会社日本招き猫総合研究所という同じ会社が運営しています。Luxen Manekiは瀬戸焼の招き猫で、金彩は伝統窯の職人の手描きで一体ごとに施されます。
よくある質問
Q. 9月29日は猫の日ですか?
A. 9月29日は猫の日ではなく、招き猫の日です。猫の日は「ニャン・ニャン・ニャン」の語呂合わせによる2月22日で、1987年に定められました。9月29日は「来る福」と読めることから、1995年に日本招猫倶楽部が招き猫の記念日として定めています。
Q. 招き猫はなぜ猫なのでしょうか?
A. 理由は一つに決まっていません。江戸時代、猫はネズミ退治の役目で人々の暮らしを支える動物でした。手招きの姿には、猫が顔を洗うしぐさを来客の前ぶれとみる中国の言い伝えを重ねる見方もあります。豪徳寺の猫が井伊直孝を招いたという寺の縁起も、猫と福を結ぶ話として広く知られるところです。
Q. 9月29日のほかに、招き猫にゆかりのある日はありますか?
A. 大阪の住吉大社では、毎月最初の辰の日を「初辰まいり」とし、楠珺社で招福猫を授けています。奇数月は左手、偶数月は右手を挙げた小さな猫を集め、48体そろうと納めて大きな招福猫と交換する習わしです。毎月訪ねられる、招き猫ゆかりの日といえます。
招き猫研究所がつくる招き猫「Luxen Maneki」
招き猫の日は、日々福を招いてくれる招き猫に感謝するための日です。記念日をきっかけに、新しい一体を手元に置こうと考える人も少なくないはずです。
量産の招き猫と何が違うのかが気になる人もいるかもしれません。「Luxen Maneki」の金彩は、瀬戸焼の伝統窯に勤める職人による手描きです。
受注生産のため、届くまでには約4〜6週間を見込んでいます。
完成した一体を納めるのは、特製の桐箱です。吸湿と放湿をくり返す桐は、火がついても燃え進みにくく、昔は金庫の内箱を作る商いにも使われた木です。
まとめ
招き猫の日は9月29日で、「来る福」と読める語呂合わせから、日本招猫倶楽部が1995年に定めました。2月22日の猫の日とは別の記念日です。
記念日の前後には、伊勢のおかげ横丁と瀬戸で来る福招き猫まつりが開かれ、作家の創作招き猫や催しが並びます。
招き猫の日には、祭りやゆかりの寺を訪ね、手元の招き猫がどこで生まれた一体かを確かめてみましょう。日程は年ごとに変わるため、公式サイトで最新の情報を確認してください。








