この記事でわかること
- 招き猫電車は2026年10月も走り、終了日は未発表
- 運行日と時刻は東急の公式サイトに週ごとに載る
- 見どころは招き猫のつり革や床の足跡、前面の猫耳
- 電車のモチーフは宮の坂駅に近い豪徳寺の招福猫児
東急世田谷線の「幸福の招き猫電車」は、2026年10月時点も運行が続いているラッピング電車です。終わる時期は、東急から発表されていません。
この電車は、沿線の豪徳寺に伝わる招き猫をモチーフにしています。ただし1編成だけの電車なので、乗りたい日に走っているとは限りません。
2026年10月15日、研究所は東急電鉄と豪徳寺の公式情報を確かめました。運行予定の調べ方や車内の見どころに加え、なぜ世田谷で招き猫の電車が走るのかを、寺の由来からひもといていきます。
世田谷線の招き猫電車はいつまで走るか
幸福の招き猫電車は、2026年10月時点でも世田谷線を走っています。毎日走るわけではないため、出かける前に公式の運行予定を見ておきましょう。
運行状況の要点
- 2026年10月13日〜20日の週は、6日間の運行予定が出ている
- 10月18日(日)と19日(月)は運行しない予定
- 2019年の再登場時から、運行を終える時期は決まっていない
2026年10月の運行予定
東急電鉄の公式サイトには、三軒茶屋駅を出る時刻の予定が1日ずつ載っています。2026年10月15日に確かめた週の予定は、次のとおりです。
幸福の招き猫電車の運行予定(2026年10月13日〜20日・三軒茶屋駅発)
| 日付 | 時刻表の区分 | 最初の発車 | 最後の発車 |
|---|---|---|---|
| 10月13日(火) | 平日7A | 5時45分 | 9時16分 |
| 10月14日(水) | 平日1 | 7時16分 | 22時14分 |
| 10月15日(木) | 平日3 | 6時45分 | 0時27分 |
| 10月16日(金) | 平日1 | 7時16分 | 22時14分 |
| 10月17日(土) | 土休日4 | 7時30分 | 18時42分 |
| 10月18日(日) | ― | 運行なし | 運行なし |
| 10月19日(月) | ― | 運行なし | 運行なし |
| 10月20日(火) | 平日4 | 7時35分 | 0時38分 |
表を見ると、同じ平日でも朝だけ走る日と、夜遅くまで走る日があります。10月13日は朝の9時台で運行を終える予定でした。
一方で10月15日や20日は、日付が変わった0時台まで三軒茶屋駅を出る予定です。そのため、区分だけで判断せず、その日の時刻を一つずつ確かめると行き違いを防げます。
週末に出かける人は、土曜と日曜の予定が分かれる点にも気をつけましょう。この週は土曜に走り、日曜は運行しない予定でした。
運行の終了時期
幸福の招き猫電車の運行は、終わる時期が決まっていない状態で続いています。2019年に再び走り始めた際、終了時期は未定と報じられました。
乗りものニュースと鉄道コムは、どちらも終了時期を「未定」と伝えています。2026年10月15日時点でも、東急の公式ページに運行終了の告知は見当たりませんでした。
幸福の招き猫電車の運行状況(2026年10月15日時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現在の状況 | 運行中(運休日あり) |
| 終了時期 | 発表されていない |
| 運行区間 | 世田谷線 三軒茶屋〜下高井戸 |
| 車両 | 300系 2両編成1本 |
ただし、最初に走った初代は期間を区切った企画で、その後いったん姿を消しています。つまり、今の運行もずっと続くと約束されたものではありません。
運行の終了や車両の変更が発表されたら、このページで記録として書き足します。乗りたい人は、時刻表のページが更新されているかを目安にするとよいでしょう。
幸福の招き猫電車の時刻表の見方
招き猫電車の時刻は、世田谷線の通常の時刻表ではなく専用のページで案内されています。読み方を知っておくと、乗りたい駅で待つ時間を見当づけられます。
公式の運行時刻表の読み方
専用の時刻表は、三軒茶屋駅を発車する予定の時刻だけをまとめたものです。日付ごとに表が分かれ、左の列が「時」、右の列が「分」という並びです。
時刻表の見方(2026年10月時点)
| 表の部分 | 読み方 |
|---|---|
| 表の右上の区分 | 「平日1」「土休日4」など、その日の運用の種類 |
| 「時」と「分」 | 三軒茶屋駅を発車する予定の時刻 |
| 猫のイラストと「お休みします」 | その日は運行しない予定 |
| 掲載期間 | 1週間ほど先までの予定が載る |
たとえば10月14日の「平日1」では、三軒茶屋駅を出る時刻が22本並んでいます。間隔はおよそ40〜45分で、1本の電車が線路を行き来していることが読み取れます。
一方で、途中の駅で乗りたい場合は、三軒茶屋駅を出る時刻を手がかりにしましょう。そのうえで、世田谷線の各駅の時刻表から、同じ列車が自分の駅に着く時刻を探すと待ちやすくなるでしょう。
当日の確かめ方と注意点
ただし、時刻表の時刻はあくまで予定で、当日に変わることがあります。公式ページには、運転状況で車両の使い方を変えることや、点検などで走らない日があることが書かれています。
当日の状況を知る手段として、東急が案内している方法は2つです。三軒茶屋駅と下高井戸駅には、「本日の発車時刻表」のパネルが掲げられています。
駅に行く前に確かめたいときは、東急お客さまセンターに問い合わせることができます。とくに遠方から出かける日は、前日に時刻表のページを開き直しておくと安心です。
幸福の招き猫電車の見どころ
招き猫電車は、車体の外にも車内にも招き猫が隠れている電車です。東急の公式ページも、乗りながら招き猫を探してほしいと呼びかけています。
見どころの要点
- 前面は猫の顔で、2代目から猫耳が加わった
- 2両をつなぐ部分には鈴がデザインされている
- つり革は招き猫の形で、床には猫の足跡がある
車体の猫の顔と耳、連結部の鈴
外から見たときの目印は、前面全体に描かれた猫の顔と、その上の耳です。側面にも招き猫が描かれ、白い車体全体が豪徳寺の招き猫をもとにしたラッピングで包まれています。
前面を猫の顔にする案は、世田谷線の現場を預かる管区長の発案でした。東急の特設サイトでは、現場の声を本社とすり合わせて仕上げたと紹介されています。
さらに2019年の2代目からは、前面の猫耳と連結部分の鈴が加わりました。鈴は首輪の鈴を思わせる飾りで、電車全体を一匹の招き猫に見立てる工夫と受け取れます。
そのため、ホームで正面から撮るなら耳まで、横から撮るなら2両の間の鈴まで入れると、この電車らしさが残ります。正面と連結部の両方を見るのが、外観を楽しむこつです。
招き猫のつり革と床の足跡
車内でまず目に入るのは、招き猫の形をしたつり革です。鉄道コムの記事によると、つり革はすべて手招きのポーズをとっています。
床には猫の足跡があります。2017年の発表で東急は、これらの内装を「見て、乗って楽しめる」デザインと説明しました。
招き猫電車の車内と車外の見どころ
| 見どころ | 場所 | 登場した時期 |
|---|---|---|
| 招き猫の形のつり革 | 車内の天井側 | 初代(2017年)から |
| 猫の足跡 | 車内の床 | 初代(2017年)から |
| 窓の招き猫 | 窓の一部 | 2代目(2019年)の報道で確認 |
| 猫の顔と猫耳 | 車両の前面 | 顔は初代、耳は2代目から |
| 鈴 | 2両の連結部分 | 2代目から |
もっとも、混み合う時間帯は、つり革や床を見る余裕がないこともあります。昼間の空いている時間に乗ると、足跡の続く先まで落ち着いて追えるでしょう。
なお、足跡は床の模様のため、立ち止まって撮影すると乗り降りの妨げになります。ほかの乗客に配慮しながら楽しみましょう。
幸福の招き猫電車の運行の記録
幸福の招き猫電車は、一度引退したあと、利用者の声を受けて戻ってきた電車です。初登場から今日までの歩みを、公式の資料と報道で確かめられた範囲で記録します。
年表
世田谷線の節目ごとに、招き猫電車は記念企画の主役を務めてきました。路線の歴史とあわせて年表にまとめました。
世田谷線と幸福の招き猫電車の年表
| 年月 | 出来事 |
|---|---|
| 1925年1月・5月 | 玉川線の支線として三軒茶屋〜下高井戸間が開通 |
| 1969年5月 | 玉川線の廃止に伴い、三軒茶屋〜下高井戸間が世田谷線となる |
| 2017年8月31日 | 東急が玉電開通110周年の記念企画として招き猫電車を発表 |
| 2017年9月25日 | 初代が運行開始(当初は2018年3月末までの予定) |
| 2018年秋 | 初代が運行を終える(9月とする資料と10月とする資料がある) |
| 2019年5月12日 | 世田谷線50周年の記念企画として2代目が運行開始 |
| 2019年12月15日 | 招き猫電車の絵柄のチケットホルダーを1,000個発売 |
| 2025年5月1日 | 三軒茶屋〜下高井戸間の開通から100周年 |
| 2026年10月 | 2代目が運行中(終了時期は未発表) |
初代が走り終えた月は、資料によって9月と10月に分かれます。東急の特設サイトは2018年9月に期間が満了したと書き、鉄道コムは10月までと伝えました。
いずれにしても、2018年3月末までの予定より半年ほど長く走ったことになります。そのうえ特設サイトによると、終了後も再開を望む声が多く寄せられました。
2025年は、三軒茶屋〜下高井戸間の開通から100年の節目でした。東急は2026年3月31日までをアニバーサリーイヤーとし、東急の100周年の年表にも招き猫電車の登場が記されています。
初代と2代目の違い
初代と2代目は、記念する節目と前面のデザインが異なります。使われている車両は、どちらも300系の2両編成です。
初代と2代目の幸福の招き猫電車の比較
| 項目 | 初代 | 2代目 |
|---|---|---|
| きっかけ | 玉電開通110周年 | 世田谷線50周年 |
| 運行期間 | 2017年9月25日〜2018年秋 | 2019年5月12日〜(2026年10月時点で運行中) |
| 前面 | 猫の顔 | 猫の顔に猫耳を追加 |
| 連結部分 | ― | 鈴のデザインを追加 |
| 内装 | 招き猫のつり革・猫の足跡 | 初代と同じ趣向を引き継ぐ |
| あわせて開かれた催し | 豪徳寺での招き猫の絵付けや猫の写真展など | 世田谷線フェス、沿線マルシェなど |
出典:東京急行電鉄 ニュースリリース「玉電開通110周年記念イベントを実施」(2017年8月31日)
出典:乗りものニュース「『猫耳』追加で東急世田谷線『幸福の招き猫電車』復活!」(2019年5月11日)
初代の企画では、豪徳寺の境内でも催しが開かれました。素焼きの招き猫に色を塗る絵付けの会や、募集した猫の写真を並べる展示がその例です。
つまり招き猫電車は、電車と寺を行き来してもらう企画として生まれたといえます。2代目は記念日に合わせたフェスやマルシェとともに走り出し、今では沿線の顔の一つになりました。
なぜ世田谷線に招き猫の電車が走るのか
世田谷線に招き猫の電車が走るのは、沿線に招き猫の由来を伝える豪徳寺があるからです。東急は初代の発表から一貫して、豪徳寺の協力を得たと説明しています。
宮の坂駅と豪徳寺
豪徳寺の最寄り駅は、世田谷線の宮の坂駅です。寺の公式サイトでは、宮の坂駅から歩いて5分、小田急線の豪徳寺駅から歩いて15分と案内されています。
豪徳寺の基本情報(2026年10月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都世田谷区豪徳寺2-24-7 |
| 最寄り駅 | 世田谷線 宮の坂駅(徒歩5分) |
| 拝観時間 | 6時〜17時 |
| 寺務所の受付 | 8時〜15時 |
豪徳寺は、彦根藩主の井伊家の菩提寺(先祖の墓や位牌をまつる寺)です。東急の2017年の資料も、寺の成り立ちと招き猫の伝承を沿線の名所として紹介しています。
そのため、招き猫電車に乗ったあとは宮の坂駅で降り、豪徳寺まで歩く回り方ができます。招福猫児を授かりたい人は、寺務所が閉まる15時より前に着くように予定を組みましょう。
豪徳寺の招福猫児の値段や授かり方、奉納の考え方は、寺への取材をもとにした記事で詳しく扱っています。
豪徳寺に伝わる招福猫児と電車のデザイン
豪徳寺の縁起によると、門前の猫が鷹狩り帰りの井伊直孝を寺へ招き、直孝は直後の雷雨を避けられたと伝えられています。寺の再興は、直孝の支援を受けた寛永10年(1633年)のことです。
豪徳寺では、福を招いたこの猫を「招福猫児(まねきねこ)」と呼び、招福殿にまつっています。寺の招福猫児は小判を持たず、右手を上げた姿です。
豪徳寺の招福猫児と招き猫電車の共通点
| 招福猫児の特徴 | 招き猫電車での表れ |
|---|---|
| 白い体 | ほかの車両にはない白い車体 |
| 右手を上げて人を招く | 招きポーズのつり革 |
豪徳寺の住職は東急の取材で、白い車体は寺の招き猫のイメージどおりだと話しています。電車の話が来たとき、住職自身もぜひ走らせてほしいと応じたそうです。
一方で寺の説明では、招福猫児は人との縁を招く存在で、福を直接授けるものではないとされます。だからこそ、人を乗せて町と町を結ぶ電車は、縁を招く猫の役目と重なると研究所は考えます。
だるまや熊手は、願いを込める形が先にある縁起物です。対して招き猫には、寺の縁起に登場する一匹の猫という主人公がいます。そのため、電車のような身近な乗り物にも姿を写しやすいのでしょう。
なお、招き猫の発祥については豪徳寺説のほかに今戸神社説や自性院説などがあり、一つに決まっていません。東急も、豪徳寺を発祥の地とする説があるという書き方で紹介しています。
「世田谷線 招き猫 神社」で探している人へ
世田谷線の沿線で招き猫ゆかりの場所として知られるのは、神社ではなく豪徳寺という寺です。「招き猫の神社」と覚えて探すと、目的地を見失うことがあります。
参拝の作法も、神社とは異なる点があります。豪徳寺の住職は、授かった招き猫をすぐに奉納せず、自宅に持ち帰って飾る考え方を東急の取材で語りました。
願いがかなったときや年が変わったときに納めても、家にずっと飾ってもよいそうです。つまり豪徳寺では、招き猫を家に迎えてから寺へ返す流れが大切にされています。
招き猫を授与する神社や寺は、世田谷のほかにも全国にあります。豪徳寺と松陰神社の回り方を含む東京の寺社と、地域ごとの寺社は次の記事にまとめました。
よくある質問
Q. 幸福の招き猫電車は何本走っていますか?
A. 1本です。300系の2両編成1本が幸福の招き猫電車として走っており、2019年の報道では308編成が使われていると伝えられました。そのため、世田谷線に乗っても招き猫電車に当たらない時間帯や日があります。乗りたい日は、東急の運行時刻表で三軒茶屋駅を出る時刻を確かめてから出かけましょう。
Q. 招き猫電車のグッズはありますか?
A. 過去には公式のグッズが発売されています。2019年12月には、招き猫電車の絵柄のチケットホルダーが発売されました。数は1,000個で、値段は2,000円(税込)、三軒茶屋駅など3駅で扱われました。なくなり次第終了の品のため、2026年10月時点で手に入るかは公式の告知で確かめてください。
Q. 招き猫電車に乗ったあと、豪徳寺で招き猫を授かれますか?
A. 授かれます。宮の坂駅で降りて歩いて5分ほどで豪徳寺に着き、境内の寺務所が授与の窓口です。寺務所の受付は8時から15時までで、拝観時間の17時より早く閉まります。値段は2026年10月時点で500円から10,000円です。ただし品不足のため、欠けている大きさもあると公式サイトに注記があります。
まとめ
世田谷線の幸福の招き猫電車は、2026年10月時点も運行中で、終わる時期は発表されていません。1編成だけで運休日もあるため、東急の運行時刻表で日ごとの予定を確かめてから出かけましょう。
見どころは、招き猫の形のつり革と床の足跡、前面の猫耳と連結部の鈴です。歩みは2017年の玉電開通110周年に始まり、2019年の世田谷線50周年で再び動き出しました。その記録も、このページに残していきます。
電車のモチーフになった豪徳寺は、宮の坂駅から歩いて行ける距離にあります。電車で招き猫に出会い、寺で招福猫児の由来に触れると、世田谷で招き猫が親しまれてきた理由がよくわかるでしょう。



