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招き猫の選び方

白い招き猫の意味とは?開運招福の色とされる背景を解説

この記事でわかること

  • 白い招き猫は公式2か所で開運招福の色とされる
  • 「浄化」は公式の説明に見当たらない意味
  • 研究所も白・三毛を開運招福の基本の色と定義
  • 手は願いで選び、飾る場所に決まりはない

白い招き猫は、どんな願いにも向く「開運招福」の色とされ、招き猫研究所の定義でも同じ意味を当てています。

作り手の公式の説明も、2か所で開運招福の意味がそろっています。愛好家団体の日本招猫倶楽部と、常滑焼の窯元・梅月冨本人形園の2つです。

一方で、白を「浄化」や「新しいスタート」の色とする説明も目にします。作り手が示した意味と色のイメージから生まれた意味を分けて知ると、白い一体を迷わず選べるでしょう。

白色の招き猫の意味

永楽善五郎(16代)「交趾釉猫形手焙(白)」。丸くなって眠る白い猫の形をした陶磁器
永楽善五郎(16代)「交趾釉猫形手焙(白)」昭和時代(京都国立博物館蔵)/出典:ColBase

白い招き猫の意味は、公式の2か所で「招福」にそろっています。ただし添えられる言葉は作り手ごとに少しずつ違い、公式にない意味が広まっている面もあります。

招き猫研究所が定義する色の意味

招き猫研究所では、招き猫の色の意味を8色に分け、次のように定義しました。白は、その中で基準となる色です。

招き猫研究所の色の定義

色招き猫研究所の定義研究所の考え方
白・三毛開運招福(どんな願いにも通じる基本の色)何色にも染まる白と、日本の猫らしい三毛は、願いを選ばずに福を招く基本の色
金金運・仕事運小判や黄金を思わせる金は、お金の巡りと、仕事や商いの実りを招く色
黒厄除け夜の闇にも溶ける黒は、災いを寄せつけず、身と家を守る色
赤病よけ古くから病を遠ざける色とされてきた赤は、病から身を守る色
緑健康長寿草木や若葉の色である緑は、いのちの勢いとすこやかさを表し、長く元気に過ごす願いを託す色
ピンク恋愛成就桜を思わせるやわらかなピンクは、恋心と良い出会いを招く色
黄人望招福(人に慕われ、人が集まる運。いわゆる人気運)明るく人の目を引く黄は、人に慕われ、まわりに人が集まる運を招く色
青学業向上(集中力・判断力の向上)澄んだ空や水を思わせる青は、心を落ち着かせ、学びに向かう集中と判断を支える色

研究所では、白と三毛を「開運招福」の色と定義しています。何色にも染まる白は、特定の願いに限らず、どんな願いにも通じる色だからです。

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三毛を同じ基本の色に加えたのは、日本の猫らしい毛色として親しまれてきたためです。そのため研究所は、白と三毛を願いを選ばずに福を招く色として位置づけました。

ほかの色が願いごとに分かれているのに対し、白は全体を受け止める土台の色といえます。どの色にするか迷ったときはまず白から考えてみてください。

公式2か所が伝える白の意味

白は、特定の願いに偏らない「開運招福」の色です。

白い招き猫の意味(公式2か所の比較)

公式白に当てている意味
日本招猫倶楽部(愛好家団体)開運招福・家内安全
梅月冨本人形園(愛知県常滑市)来福招福

2つの説明は言葉こそ違うものの、福を招くという中心は共通しています。ただし日本招猫倶楽部は、白に「家内安全」の願いも添えました。

白い招き猫は、特定の願いより福全体を招く色として受け止めるとよいでしょう。家族の暮らしの安全まで込めたいなら、倶楽部の説明にならって白に託す選び方もあります。

「浄化」は公式にない意味

白を浄化の色とする説明は、公式2か所には見当たりません。白い招き猫を「浄化」「純粋」「新しいスタート」の意味で紹介する記事もあります。

ところが、今回確かめた2か所の説明には、これらの言葉は一つも出てきませんでした。風水で白を金運の色とする説明も同じで、招き猫の作り手が示した意味としては確認できません。

研究所が取材した民俗学者の島村恭則氏によれば、色の意味の解釈は地域や時代によって変わるものです。

だからこそ、白い招き猫の意味は作り手の説明と色のイメージから語られる意味に分けて受け止めましょう。手元の一体の意味を確かめたいときは、作った窯元や販売元の説明を見るのが確実です。

手や色、持ち物ごとの意味が作り手でどう分かれるかは、招き猫の意味をまとめた記事で比べています。

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白い招き猫が選ばれてきた背景

白は、招き猫の色の中でいちばん基本に近い色です。店頭で選ばれる色の傾向と、白を美しく焼き上げる窯元の仕事が、その位置を支えてきました。

白と三毛は招き猫の基本の色

白と三毛は、招き猫の一般的な色として扱われてきました。日本招猫倶楽部も、白を総合的な「開運招福」の色として紹介しています。

一方で、黒や赤、金などは、それぞれの願いに特化した御利益をもつ色という位置づけです。観光庁の多言語解説文も、常滑系の招き猫は三毛が一般的だと説明しています。

だるまと並べてみると、白の位置づけがはっきりします。群馬県立歴史博物館によれば、だるまの色は赤で、赤には魔除けや疱瘡除けの力があると信じられてきました。

だるまの基本が赤なのに対し、招き猫の基本は白と三毛です。そのうえで、願いに合わせて黒や赤、金の招き猫が加わってきたと見ることができるでしょう。

柄ごとの招き猫の違いは、種類の記事で詳しく紹介しています。

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白く焼き上げる窯元の仕事

白い招き猫の美しさは、焼き方で大きく変わります。瀬戸焼(愛知県瀬戸市)は、明治30年代(1890年代後半〜1900年代前半)に、磁器の招き猫を量産しはじめた産地です。

瀬戸で招き猫をつくるフジコウセラミックは、焼成を全自動にせず、人の目で火を見ながら調整しています。窯の温度はやや高めに保ち、17〜18時間かけて焼き上げるそうです。

なぜなら、高めの温度で焼くほど生地が白くきれいに焼き上がるからです。とはいえ窯の温度が1400℃を上回ると、生地がもたずに形が崩れてしまうといいます。

その手前の温度帯を見極める判断は、マニュアルではなく職人の経験に支えられています。そのため、同じ型でも一体ごとにわずかな違いが生まれ、窯元はそれを人の手を通った証と受け止めていました。

つまり白い招き猫を選ぶときは、意味だけでなく白の焼き上がりの質感にも目を向けてみてください。

瀬戸の窯元の仕事場と、瀬戸焼の招き猫の歴史は、次の記事で詳しく扱っています。

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白い招き猫の置き方と選び方

橋本雅邦「竹林猫」。雪の竹林を跳ねる白い猫
橋本雅邦「竹林猫」明治29年(1896)(東京国立博物館蔵)/出典:ColBase

白は願いを選ばない色なので、どんな願いを重ねるかは上げた手で決まります。飾る場所については、公式に決まった作法はありません。

願いに合わせて上げた手を選ぶ

右手はお金、左手は人を招くというのが、白い招き猫にも共通する手の意味です。日本招猫倶楽部と梅月冨本人形園の2か所の説明も、この点で一致しました。

上げた手と招くといわれるもの

上げた手招くといわれるもの
右手お金・金運
左手人・お客
両手お金と人の両方(「お手上げ」と敬遠する向きもある)

たとえば店先で客を呼びたいなら左手、家計の安定を願うなら右手というように、白の開運招福に手の意味を重ねます。また、耳より高く手を上げた「手長」は、遠くの福や大きな福を招くとされています。

ただし、豪徳寺のように右手で「縁」を招くと伝える寺もあり、左右の意味の伝え方は一つではありません。迷ったときは、右手と左手の違いをまとめた記事を確かめてください。

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飾る場所に決まりはない

招き猫の飾り方に、決まった作法はありません。日本招猫倶楽部によると、いつも目に入る身近な場所に置くとよいそうです。

庶民の信仰の対象だった昔は、少し高い場所に安置し、水などを供えたこともあったようです。白い招き猫を東や西に置くと運気が変わるという説明もありますが、方角の決まりは公式2か所には見当たりません。

そのため、白い招き猫は毎日目に入る場所に置くことを基準にするとよいでしょう。願いに合わせて、店なら客の目に触れる入口、家なら家族が集まる部屋というように考えると決めやすくなります。

玄関や店先など、場所ごとの考え方は置き場所の記事にまとめました。

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置く場所が決まると、次はどんな白の一体を迎えるかが気になってくるでしょう。Luxen Manekiは、株式会社日本招き猫総合研究所(招き猫研究所の運営会社)が手がけるブランドです。

その白の招き猫「花筏」は、高さ9cmの瀬戸焼に、伝統窯の職人が一体ずつ金彩を手描きしたものになります。

よくある質問

Q. 白い招き猫と黒い招き猫の違いは何ですか?

A. 白は願いを選ばない開運招福の色、黒は厄除けの色とされています。黒の意味は、日本招猫倶楽部が厄除開運、梅月冨本人形園が厄除招福としており、2か所とも厄除けを当てています。

Q. 白い招き猫は贈り物に向いていますか?

A. 白は特定の願いに偏らない開運招福の色なので、相手の願いがわからないときにも選びやすい色です。日本招猫倶楽部は白に家内安全の意味も添えているため、新しい住まいへのお祝いにも意味を説明しやすいでしょう。

Q. 白い招き猫と三毛の招き猫はどちらを選べばよいですか?

A. 白も三毛も、研究所の定義では同じ開運招福の色です。意味の差はないため、見た目の好みで選んでかまいません。観光庁の解説文によれば、三毛は常滑系の招き猫で一般的な柄とされています。

招き猫研究所がつくる招き猫「Luxen Maneki」

白い招き猫の意味がわかったら、その白をどんな手仕事で仕上げた一体なのかも選ぶ理由になります。とはいえ、量産の招き猫と何が違うのかは、見た目だけではわかりにくいものです。

瀬戸焼は六古窯に数えられる産地で、Luxen Manekiはその瀬戸焼で招き猫研究所がつくる招き猫です。注文を受けてから約4〜6週間をかけ、職人が一点ずつ手描きの金彩を施して仕上げます。

お届けの際は、特製の桐箱に納めています。桐は湿気を吸っては吐き出し、燃えにくいため、かつては金庫の内箱にも使われてきました。

まとめ

白い招き猫は、公式2か所がそろって開運招福の色と紹介しています。研究所では、独自の価値基準として白と三毛をどんな願いにも通じる基本の色と定義しました。日本招猫倶楽部は家内安全の意味も添えており、言葉は作り手によって少しずつ違います。

一方で、白を浄化や新しいスタートの色とする説明は、公式の説明には見当たりません。作り手の説明と色のイメージを分けて受け止めることが、白を選ぶときの手がかりになります。

選ぶときは、願いに合わせて上げた手を決め、毎日目に入る場所に飾りましょう。白の焼き上がりの質感まで見比べると、自分に合う一体が見つかるはずです。