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産地と窯元

招き猫の絵付け体験ができる場所は?瀬戸・常滑・伊勢などの工房を紹介

この記事でわかること

  • 招き猫の絵付けは常滑・伊勢・尾道・岡山・熱海などで体験できる
  • 焼き上げる体験は後日届き、塗るだけの体験は当日持ち帰れる
  • 張り子は紙、木目込みは布の招き猫で、陶器の絵付けとは別物
  • 絵付けのデザインは、色で願いを、目とひげで表情を決める

招き猫の絵付けは、常滑・伊勢・尾道・岡山・熱海などの工房で体験できます。多くは1〜2時間ほどで終わる手軽な内容で、子どもから参加できる場所も少なくありません。

選ぶときの分かれ目は、描いたあとに窯で焼くかどうかです。焼き上げる体験は完成まで数週間かかり、焼かない体験ならその日のうちに持ち帰れます。

研究所では、主催者の公式サイトと自治体・観光協会の案内で、2026年10月時点の料金や受け取り方を確かめました。後半では、素焼きに描く工程や張り子・木目込みとの違い、デザインの考え方もまとめています。

招き猫の絵付け体験ができる場所の早見表

招き猫の絵付け体験は、料金・所要時間・予約・受け取り方の4点で比べると選びやすくなります。旅の予定に組み込めるかどうかは、とりわけ受け取り方で決まるでしょう。

主催者の公式で確かめた5か所

4点すべてを主催者や観光協会の公式で確かめられたのは、次の5か所でした。料金はいずれも税込です。

招き猫の絵付け体験ができる場所(2026年10月時点)

場所地域料金所要時間予約受け取り
登窯広場展示工房館愛知県常滑市750円〜2,200円(素地で異なる)1時間空きがあれば予約なしで可施釉・焼成後、数週間で発送(国内のみ)
おかげ横丁 伊勢路栽苑三重県伊勢市小3,500円・大4,500円(ラッキーキャットアート)約1時間30分当日9時までに予約当日持ち帰り(後日配送も可・送料別)
おのみち小物招き猫工房広島県尾道市3,850円約1〜2時間公式サイト・電話当日持ち帰り
招き猫美術館岡山県岡山市1,700円(別に入館料600円)約1時間予約優先(予約なしでも可)当日持ち帰り
陶芸工房doka土火静岡県熱海市3,800円1時間程度電話・Web(飛び入りも可)当日持ち帰り(焼成なし)

出典:とこなめ観光ナビ「登窯広場展示工房館」
出典:観光庁 多言語解説文データベース「登窯広場」
出典:おかげ横丁「伊勢路の工芸品づくり・縁起物の絵付け体験」予約ページ
出典:おのみち小物招き猫工房「絵付け体験」
出典:Dive! Hiroshima(広島県観光連盟)「福を呼ぶ 招き猫の絵付け体験」
出典:招き猫美術館「招き猫絵付け体験」
出典:岡山市「招き猫美術館」
出典:陶芸工房doka土火「金運まねき猫絵付け体験」

表の5か所のうち、焼き上げてから届けるのは常滑の登窯広場展示工房館だけです。残る4か所では、描き終えた一体を当日に持ち帰れます。

一方で、瀬戸や東京にも招き猫を描ける場所はあるものの、4点のどれかが公式で確かめられませんでした。それらは表から外し、次の地域別の節で、わかっている範囲を紹介します。

なお料金や時間帯は改定される場合もあるので、訪ねる前に各施設の最新の案内を開いておくと確実です。

焼く体験と焼かない体験で変わる受け取り方

絵付け体験の受け取り方は、描いた絵具を窯で焼き付けるかどうかで決まります。焼き上げる体験は窯に入れる手順を待つ必要があり、その場で完成させられないためです。

常滑の登窯広場展示工房館では、描いた招き猫に釉薬(ゆうやく:焼き物の表面をおおうガラス質の膜)をかけて焼きます。そのため作品は、数週間後に参加者のもとへ発送される仕組みです。

これに対して、岡山の招き猫美術館では、素焼きの猫にアクリル絵の具を塗り、完成したらすぐ持ち帰れます。熱海のdoka土火も焼成しないと明記しており、旅先で描いて当日に持ち帰りたい人に向くでしょう。

焼く体験と焼かない体験の違い(2026年10月時点の各施設の案内から)

比べる点焼き上げる体験焼かない体験
主な絵具焼き物用の絵具・専用ペンアクリル絵の具・ペン
仕上げ釉薬をかけて窯で焼く絵具が乾けば完成
受け取り数週間〜数ヵ月後に発送か引き取りその日に持ち帰り
主な例登窯広場展示工房館(常滑)招き猫美術館(岡山)・doka土火(熱海)

ただし、焼き上げる体験には待つだけの理由もあります。瀬戸の窯元フジコウセラミックで焼成を担う藤井さんは、研究所の取材で、陶器は一度買えば色があせないものだと語っていました。

つまり、長く飾る一体を作るなら焼き上げる体験、旅の記念をすぐ手元に置くなら焼かない体験と考えると選びやすいでしょう。受け取りまでの日数も体験の一部と考えて決めてください。

焼成を受け持つ現場の判断は、窯元のインタビューにまとめました。

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地域別に見る招き猫の絵付け体験

招き猫の絵付けは、焼き物の産地と、猫にゆかりのある町の両方で体験できます。産地の常滑・瀬戸から、門前町の伊勢、猫の町として知られる尾道まで、地域ごとに特徴があるのです。

地域別の要点

  • 常滑は焼き上げて届ける体験と、窯元の店での体験がある
  • 瀬戸は観光協会が窯元と陶器店の体験を案内している
  • 伊勢・尾道・岡山・熱海はその日に持ち帰れる体験が中心

常滑|登窯広場展示工房館とヤマタネ

常滑で招き猫を描くなら、やきもの散歩道の登窯広場展示工房館が手がかりになります。館の2階に工房があり、筆ではなく専用のペンで描けるため、小さな子どもでも取り組みやすいと観光協会は紹介しました。

素地は招き猫のほか、風鈴・お皿・かめ・土管・オーナメントから選べます。料金は750円から2,200円で、素地によって変わる仕組みです。営業時間は9時30分から16時30分までで、水曜日と年末年始は休館となるため注意しましょう。

もう一つの候補が、常滑市奥条にあるまちの駅 常滑焼ヤマタネです。絵付けのコースでは、右手の招き猫・左手の招き猫・お茶碗から一つを選び、体験時間は約40分、料金は1,650円です。

ヤマタネの公式サイトによると、作品は透明釉をかけて焼成されます。ただし受け取り方は公式に記載がなかったため、表には載せていません。申し込むときに、受け取りの時期と方法を店に確かめておきましょう。

常滑が招き猫の産地になった経緯を知ってから訪ねるなら、常滑焼の記事が手がかりになるでしょう。

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瀬戸|観光協会が案内する窯元と陶器店

瀬戸では、瀬戸市の観光協会が招き猫の体験を2か所案内しています。どちらも予約が必要で、所要時間や受け取り方の詳細は、出かける前に店へ問い合わせる形になります。

1か所目は、背戸側町(せとがわちょう)の丸窯製陶所です。江戸時代の末に創業した窯元で、瀬戸染付の技術を受け継ぎながら、製陶所の中で招き猫の絵付けと転写の体験を開いています。

体験料は1,500円からで、当日の予約も受け付けています。受付は16時までで、英語での対応もできると観光協会は紹介しました。

2か所目は、尾張瀬戸駅から歩いて3分ほどの鐘忠陶器です。こちらは「招き猫塗り絵体験」という名前で、所要時間は30分、料金は500円からとされています。

ただし両店とも、店自身のサイトには体験の案内が見当たりませんでした。そのため、電話で内容と受け取り方を確かめてから予約するのが確実です。

瀬戸の招き猫の歴史や、町で出会える場所は、瀬戸焼の記事にまとめました。

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伊勢|おかげ横丁の伊勢路栽苑

伊勢神宮の内宮前では、おかげ横丁の「伊勢路栽苑」で招き猫を描けます。おかげ横丁は、内宮の宇治橋から歩いて5分ほどの場所にある町並みです。

伊勢路栽苑の招き猫の体験は、大きく3つあります。1つ目は、白い招き猫にアクリル絵の具を垂らして模様を作る「ラッキーキャットアート」です。

ほかに、招き猫の絵付けと、招き猫やだるまの形の鉢に描く「ポットの絵付け」があります。

ラッキーキャットアートは約1時間30分で、小サイズが3,500円、大サイズが4,500円です。当日に持ち帰れるうえ、送料を払えば後日の配送も頼めます。

一方で招き猫の絵付けは約1時間で、料金は小サイズが1,540円、大サイズが1,870円と手ごろです。ただし、こちらは受け取り方が公式に書かれていなかったため、早見表には入れていません。

予約はおかげ横丁の予約ページから、体験日の朝9時までに申し込みます。各回の定員は4名なので、休日や連休は早めに枠を押さえておきましょう。

出典:おかげ横丁「体験する」
出典:おかげ横丁「伊勢路の工芸品づくり・縁起物の絵付け体験」予約ページ
出典:おかげ横丁「おかげ横丁について」

おかげ横丁は、毎年秋の「来る福招き猫まつり」の会場でもあります。まつりの日程や内容は、招き猫ニュースで紹介しています。

出典:おかげ横丁「来る福招き猫まつり」

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尾道|宝土寺観音堂の張り子の招き猫

尾道のおのみち小物招き猫工房は、真っ白な張り子の招き猫に絵付けする工房です。場所は尾道市東土堂町の宝土寺観音堂の中で、尾道水道を見渡せるお堂で筆を動かせます。

料金は3,850円で、体験時間は1時間から2時間ほどです。3歳以上が対象で、小学生以下には付き添いが1名必要になります。

開始時刻は平日が10時と13時、土日祝が9時30分・12時30分・15時30分です。予約は工房の公式サイトか電話で受け付け、当日の体験も電話で空きを確かめれば受けられます。

あわせて広島県観光連盟の観光サイトには、作品をその日のうちに持ち帰れると書かれています。定休日は水曜と木曜で、臨時の休みもあるため、出発前に工房のお知らせを確かめると安心です。

出典:おのみち小物招き猫工房「ご予約フォーム」
出典:Dive! Hiroshima(広島県観光連盟)「福を呼ぶ 招き猫の絵付け体験」

岡山・熱海|美術館と陶芸工房

岡山と熱海では、その日に持ち帰れる焼かない絵付けを体験できます。どちらも1時間ほどで終わるため、観光の合間に組み込みやすいでしょう。

岡山市北区の招き猫美術館では、別館の「LUCKY CATS HOUSE」で素焼きの招き猫に色をのせます。絵具はアクリル絵の具で、講師は館の学芸員です。

料金は1,700円で、入館料(一般600円)が別にかかります。なお岡山市の案内では予約優先とされているものの、館のお知らせには予約なしで始められるとも書かれていました。

一方、静岡県熱海市の陶芸工房doka土火には「金運まねき猫絵付け体験」があります。右手を挙げた招き猫に色を塗る内容で、料金は3,800円、時間は1時間程度です。

開始は10時・13時・15時の3回で、5歳から参加できます。焼成をしないため、描き終えた招き猫をすぐ持ち帰れる点が旅行者に向いているでしょう。

出典:招き猫美術館「団体様ご利用プラン」
出典:招き猫美術館「ご利用案内」
出典:陶芸工房doka土火「金運まねき猫絵付け体験」

招き猫美術館の展示の見どころや行き方は、施設を紹介した記事で詳しく扱っています。

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東京と近郊

東京で招き猫の絵付けを探すと、公式で4点をそろえて確かめられる場所は見つかりませんでした。そのため、予約サイトと近県の工房の情報を、確かめられた範囲で紹介します。

目黒区上目黒の千秋(せんしゅう)工房は、予約サイトのアソビューで、招き猫に九谷焼の絵付けをする体験を掲載しています。所要時間は約1時間30分からで、完成まで2〜3ヵ月ほどかかるとのことです。

ただし工房自身の公式サイトが見当たらず、料金は主催者の公式で確かめられませんでした。申し込むときは、予約ページで最新の料金と受け取り方を確かめましょう。

また千葉県袖ケ浦市のクマの陶芸教室には、1,900円の招き猫の絵付け体験があります。素焼きの招き猫に専用のペンで描き、焼かないので描き終えたらすぐ持ち帰れる内容です。

開始は10時30分・13時・14時30分のいずれかで、予約はネットか電話で受け付けています。一方で体験時間の記載はないため、予約のときに所要時間も尋ねておくと予定を組みやすいでしょう。

出典:アソビュー「【東京・目黒・絵付け】可愛い招き猫の九谷絵付け体験」(千秋工房)
出典:クマの陶芸教室「招き猫 絵付け体験」
出典:クマの陶芸教室「陶芸体験」

素焼きに描く絵付けと、張り子・木目込みとの違い

招き猫の絵付けは、何でできた招き猫に描くかで、道具も仕上げ方も変わります。焼き物の素焼き、紙の張り子、布で装う木目込みでは、色ののせ方そのものが違うためです。

素焼きの素地に絵付けする工程

焼き物の招き猫に描く体験は、素焼きを済ませた素地(きじ)に色をのせるところから始まります。素地とは、絵付けや釉薬をかける前の焼き物の地肌を指す言葉です。

辞典では、素地に絵を描き、その上に釉薬をかける作業を「下絵付(したえづけ)」と呼んでいます。描いた絵は釉薬の膜の下に閉じ込められ、窯で焼くと素地と一体になるのです。

常滑の登窯広場展示工房館の体験も、この流れに沿っています。参加者が描いたあと、施設が釉薬をかけて焼くため、作品が届くのは数週間後です。

焼き物の招き猫に描く体験の流れ

  1. 素焼きの招き猫に、焼き物用の絵具や専用のペンで描く
  2. 施設が釉薬をかける
  3. 窯で本焼きし、絵を焼き付ける
  4. 冷ましてから、発送または引き取りで受け取る

ただし、素焼きの素地にアクリル絵の具で描く体験は、2番目から先がありません。同じ素焼きの招き猫でも、焼くかどうかで別の体験になると覚えておくとよいでしょう。

瀬戸と常滑の絵付けの違い

同じ愛知の産地でも、瀬戸と常滑では描く土台となる素地の性格が異なります。愛知県の観光サイトは、瀬戸系を磁器、常滑系を陶器の招き猫として紹介しています。

瀬戸系の招き猫は、前掛けのフリルのような細かい表現を持ち味とする上品な姿です。対して常滑系は、大きな耳とまるい顔、大きな目を持つ二頭身の姿で知られています。

瀬戸と常滑の招き猫と体験の違い(2026年10月時点)

比べる点瀬戸常滑
招き猫の素材磁器陶器
招き猫の姿すらりとして、細かな表現が得意大きな耳とまるい顔の二頭身
観光協会が紹介する体験呉須で描く染付、表面を削る掻き落とし、転写専用のペンで描く絵付け
招き猫を描ける場所の例丸窯製陶所・鐘忠陶器登窯広場展示工房館・ヤマタネ

瀬戸の観光協会は、藍色の顔料である呉須(ごす)を使う染付を、瀬戸の伝統技法として紹介しています。だからこそ瀬戸で描くなら、筆で線を引く染付らしい絵付けを味わえる場所を選ぶとよいでしょう。

一方の常滑では、筆の代わりに専用のペンで描ける体験を観光協会が紹介しています。つまり、筆づかいを楽しむなら瀬戸、手軽さなら常滑と考えると、産地ごとの体験の違いがつかみやすいでしょう。

張り子・木目込みの招き猫との違い

招き猫には焼き物のほか、紙で作る張り子と、布で装う木目込みもあります。この2つは素材が違うため、陶磁器の絵付けとは仕上げ方が大きく異なるのです。

張り子は、型の上に紙を幾重にも貼り、乾いたあとで中の型を抜いて作る細工物です。尾道の工房で描くのも、この張り子の招き猫で、焼かずに絵具で色をのせて仕上げます。

これに対して木目込みは、絵具ではなく布で色柄を表す技法です。作り方は、木や桐塑(とうそ:桐の粉を糊で固めたもの)で作った型に溝を彫るところから始まります。そこへ衣裳の布をきめこんで仕上げる、とさいたま市は文化財の紹介で説明しました。

素材ごとの招き猫の色ののせ方

素材作り方色ののせ方体験で描く場合
焼き物(陶器・磁器)型で形を作って焼く素地に描いて焼き付ける、または塗る焼くなら後日、塗るだけなら当日
張り子型に紙を張り重ねて抜く紙の上に絵具で描く尾道の工房では当日持ち帰り
木目込み木や桐塑の型に溝を彫る溝に布をきめこむ絵付けではなく布を貼る作業になる

木目込人形は「江戸木目込人形」の名で、国の伝統的工芸品にもなりました。そのため「木目込み人形 招き猫」を探す人は、絵付け体験ではなく布の作品づくりを探していると考えるのが自然です。

木目込み人形や張子など、人形の招き猫の種類と産地は次の記事にまとめました。

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招き猫の絵付けデザインの考え方

招き猫の絵付けは、色で願いを、手と小判で意味を、目とひげで表情を決めていく作業です。白い素地を前に迷ったら、この3つの順に考えると手が止まりにくくなります。

デザインを決める3つの手がかり

  • 色は、研究所の定義から願いに合う色を選ぶ
  • 手の左右は素地を選ぶ段階で決まるため、予約前に確かめる
  • 目とひげは表情を左右するので、最後に落ち着いて描く

招き猫研究所が定義する色の意味

招き猫研究所では、色ごとに招く願いを次のように定義しています。体を塗る色や、前掛け・鈴に差す色を選ぶときの目安にしてください。

色招き猫研究所の定義研究所の考え方
白・三毛開運招福(どんな願いにも通じる基本の色)何色にも染まる白と、日本の猫らしい三毛は、願いを選ばずに福を招く基本の色
金金運・仕事運小判や黄金を思わせる金は、お金の巡りと、仕事や商いの実りを招く色
黒厄除け夜の闇にも溶ける黒は、災いを寄せつけず、身と家を守る色
赤病よけ古くから病を遠ざける色とされてきた赤は、病から身を守る色
緑健康長寿草木や若葉の色である緑は、いのちの勢いとすこやかさを表し、長く元気に過ごす願いを託す色
ピンク恋愛成就桜を思わせるやわらかなピンクは、恋心と良い出会いを招く色
黄人望招福(人に慕われ、人が集まる運。いわゆる人気運)明るく人の目を引く黄は、人に慕われ、まわりに人が集まる運を招く色
青学業向上(集中力・判断力の向上)澄んだ空や水を思わせる青は、心を落ち着かせ、学びに向かう集中と判断を支える色

一色に絞れないときは、体を白や三毛にして、前掛けや鈴に願いの色を差す方法があります。ベースの色が「どの願いにも通じる」ため、差し色の願いがはっきり伝わる組み合わせです。

あわせて、贈る相手がいるなら、その人の願いに合わせて色を選ぶのもよいでしょう。色を決めてから筆を取ると、塗り始めてからの迷いが減ります。

色ごとの背景と、研究所が込めた願いの言葉は、色の意味の記事にまとめました。

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手の左右と小判で願いを重ねる

招き猫のデザインは、色を塗る前に、上げた手の左右で半分が決まります。体験では手の形を変えられないため、素地を選ぶ段階が大事になるのです。

常滑のヤマタネは、絵付けの素地として右手と左手の招き猫を用意しています。尾道の工房は、右手を挙げた招き猫はお金を、左手を挙げた招き猫は人を招くと紹介しました。

一方、熱海のdoka土火の体験は、右手上げの招き猫に限られています。そのため、どちらの手を選びたいか決まっているなら、予約の前に素地の形を確かめると安心です。

また、招き猫が抱く小判は、文字を書き込める数少ない場所です。小判に願いの言葉や名前を入れておくと、描いた日の記念がより確かに残るでしょう。

右手と左手の意味が分かれた背景は、別の記事で詳しく比べています。

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目とひげで表情を決める

招き猫の印象を最後に決めるのは、顔に入れる目とひげです。体の色が同じでも、目の大きさやひげの向きで、穏やかにも凛々しくも見えます。

研究所が取材した常滑の梅月冨本人形園の冨本さんは、表情を決めるのは「目」と「ひげ」だと話します。筆を入れるわずかな差で、雰囲気が大きく変わるからです。なかでも冨本さんが最も気を配るのが、目を入れる作業です。

さらに冨本さんは、一度引いた線は描き直せないとも話していました。だからこそ体験では、目とひげを最後に、手を休めてから描くのが失敗を防ぐ近道です。

岡山の招き猫美術館の体験でも、紙にデザインを描いてから色を付けていく進め方が紹介されています。下描きで目の位置を決めておけば、本番の筆にも迷いが出にくいでしょう。

ほかの縁起物と比べると、招き猫は描き手に任される部分の多さが際立ちます。おかげ横丁の体験でも、招き猫とだるまの素地が並んでいます。

ただ招き猫は、手の左右・色・小判・表情と、願いを形にする選択肢が多い縁起物なのです。

職人が目を入れる工程に込める思いは、窯元への取材記事で読むことができます。

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よくある質問

Q. 招き猫の絵付け体験は何歳からできますか?

A. 施設によって異なります。尾道のおのみち小物招き猫工房は3歳以上で、小学生以下には付き添いが必要です。熱海のdoka土火は5歳からとしています。常滑の登窯広場展示工房館の体験はペン描きなので、幼い子でも描きやすいと観光協会は紹介しました。

Q. 予約なしで当日に体験できますか?

A. できる施設もあります。常滑の登窯広場展示工房館は空きがあれば予約なしで体験でき、熱海のdoka土火も飛び入りを受け付けています。伊勢のおかげ横丁は体験日の朝9時までの予約が必要です。混み合う休日は、事前に空きを確かめてから出かけると確実でしょう。

Q. 絵付けした招き猫を自宅に送ってもらえますか?

A. 送ってもらえる施設があります。常滑の登窯広場展示工房館は、焼き上げた作品を数週間後に国内へ発送する仕組みです。伊勢のおかげ横丁のラッキーキャットアートも、送料を払えば後日の配送を頼めます。送料や届く時期は施設ごとに違うため、申し込むときに確かめてください。

Q. 招き猫を簡単に手作りするなら、絵付けが向いていますか?

A. 向いています。形を作る工程がなく、用意された素地に色をのせるだけだからです。尾道の工房は3歳から、熱海の工房は5歳から参加でき、所要時間も1時間前後が中心でした。粘土で形から作りたい場合は、手びねりや張り子など別の作り方になり、日数も多くかかります。

招き猫研究所がつくる招き猫「Luxen Maneki」

自分で描いた招き猫は、旅の思い出と願いがこもった一体になります。そのうえで、職人の筆が入った招き猫にも興味がわいた人がいるのではないでしょうか。

体験で自分が描く一体と、職人が手で仕上げる一体は、比べるものではなく別の楽しみ方です。「Luxen Maneki」は、株式会社日本招き猫総合研究所が手がける、六古窯のひとつ瀬戸焼の招き猫のブランドです。

どの猫も伝統窯の職人による手描きの金彩をまとい、一点ずつ製作されています。受注生産なので、注文から約4〜6週間を見込んでください。仕上がった猫は、特製の桐箱に収まった姿で届きます。

まとめ

招き猫の絵付けは、常滑・伊勢・尾道・岡山・熱海などで体験できます。選ぶときは、描いたあとに窯で焼くかどうかを最初に確かめましょう。

焼き上げる体験は届くまで数週間かかる一方、色褪せにくい焼き物として残ります。焼かない体験なら、旅先で描いた一体をその日に持ち帰れます。

デザインは、色で願い、手と小判で意味、目とひげで表情を決める順に考えると迷いません。料金や予約方法は見直されることもあるため、各施設の公式の案内を事前に確かめてください。