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招き猫の歴史・文化

招き猫おみくじが引ける寺社は?中の猫の意味や28種類、引いた後の扱いを解説

この記事でわかること

  • 公式で授与を確かめられた寺社は藤沢・八戸など4か所
  • 形は猫の中に紙が入る置物型と、紙に猫が付く同封型
  • 「28種類」は本光寺が案内する、中に入る招き猫の数
  • 紙は結んでも持ち帰ってもよく、招き猫は家に持ち帰る

招き猫おみくじは、運勢を占う紙と小さな招き猫を一緒に授かれる縁起物みくじです。神奈川県藤沢市の白旗神社や青森県八戸市の櫛引八幡宮など、各地の寺社が授与しています。

一方で、検索で名前が出てくる寺社でも、公式サイトに案内がない例が少なくありません。どこで引けて、中の猫にどんな意味があり、引いたあとにどう扱えばよいのでしょうか。

研究所では2026年10月16日に、寺社の公式サイトとオンライン授与所、神社本庁の案内を確かめました。公式で確認できた事実だけを、寺社ごとにまとめています。

招き猫おみくじが引ける寺社

歌川広重「名所江戸百景・浅草金龍山」。雪の浅草寺と大提灯
歌川広重「名所江戸百景・浅草金龍山」江戸時代・安政3年(1856)(東京国立博物館蔵)/出典:ColBase

公式の案内で招き猫おみくじの授与を確かめられたのは、神社3社と寺1か所です。現地の授与所で引く寺社と、オンライン授与所で受ける寺社に分かれます。

招き猫おみくじが引ける寺社

  • 現地で引けるのは、藤沢の白旗神社と八戸の櫛引八幡宮
  • 白鬚神社と本光寺は、オンライン授与所で案内している

招き猫おみくじが引ける寺社の早見表

4つの寺社は、初穂料も形もそれぞれ異なります。参拝の前に、どの寺社でどんな招き猫おみくじを受けられるかを表で比べましょう。

招き猫おみくじを授与する寺社(2026年10月16日に公式で確認)

寺社所在地形初穂料受け方
白旗神社神奈川県藤沢市置物の中におみくじ500円(2023年8月の神社ブログ)社務所窓口の横
櫛引八幡宮青森県八戸市おみくじに招き猫が付く(7色)200円神社の授与品一覧に掲載
白鬚神社宮崎県児湯郡川南町陶器の人形おみくじ600円オンライン授与所(品切れ表示)
本光寺千葉県市川市おみくじと招き猫(28種類)330円オンライン授与所

出典:白旗神社「『招き猫みくじ・毘沙門天みくじ』のご案内」
出典:櫛引八幡宮「授与品」
出典:白鬚神社オンライン授与所「人形おみくじ」
出典:本光寺オンライン授与所「招き猫おみくじ」

初穂料が最も低いのは櫛引八幡宮の200円で、置物として飾れる形は500〜600円です。ただし白旗神社の金額は、2023年の神社ブログに載ったものにとどまります。

そのため現地で受ける場合は、授与所で最新の初穂料を確かめてから納めてください。オンライン授与所の品は、送料が別にかかる点も心得ておきましょう。

招き猫の置物や授与品で知られる寺社は、全国の一覧を別の記事にまとめました。

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福岡の宮地嶽神社など、九州の招き猫みくじは次の記事で紹介しています。

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相州藤沢 白旗神社(神奈川県藤沢市)

白旗神社の招き猫みくじは、招き猫の形の置物に紙のおみくじを収めた品です。神社がブログで授与の始まりを伝えたのは、招き猫の日にあたる2019年9月29日でした。

置物は手のひらほどの大きさで、社務所の窓口の横に並べられています。初穂料は、そばに備えた箱へ納める仕組みだと神社は案内しました。

あわせて2020年1月のブログでは、白い招き猫と金の招き猫の2種類が紹介されています。白は左手を上げて人を招き、金は右手を上げて金運を招くといわれる、と神社は説明しました。

白旗神社は小田急江ノ島線の藤沢本町駅から、商店街を抜けて徒歩7分の場所にあります。源義経公と寒川比古命をまつる神社で、境内には毘沙門天みくじなど、ほかの縁起物みくじも並びます。

つまり、置物として家に飾れる招き猫おみくじを現地で引きたい人には、足を運びやすい神社といえるでしょう。

白旗神社を含む、東京以外の関東の招き猫の寺社は次の記事にまとめました。

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櫛引八幡宮(青森県八戸市)

南部一之宮の櫛引八幡宮は、7色の招き猫おみくじを初穂料200円で授与しています。神社の授与品の案内には、色ごとに異なる祈願の内容が書き添えられているのが特徴です。

この神社のおみくじは種類が多く、天然石ストラップ付のおみくじや恋みくじも同じ一覧に並びます。招き猫おみくじも、そうした縁起物つきのおみくじの一つです。

一方で案内に載っているのは色と祈願の内容だけで、招き猫の大きさや手の向きは書かれていません。招き猫の形を確かめたい人は、授与所で実物を見てから選ぶとよいでしょう。

所在地は青森県八戸市八幡で、神社の公式サイトには午前9時〜午後5時と記されています。7色それぞれの祈願の内容は、次の章の表で紹介しました。

出典:櫛引八幡宮「授与品」

オンライン授与所の白鬚神社と本光寺

遠方で参拝が難しい人には、寺社が運営するオンライン授与所という受け方もあります。その例が、宮崎県川南町の白鬚神社と千葉県市川市の本光寺です。

白鬚神社の人形おみくじは陶器製で、底にある赤いひもを引くと巻物状のおみくじが出てきます。白・黒・金・黄の4色に右手と左手があり、さらに商売繁盛と家内安全の招き猫も並びます。

ただし2026年10月16日の時点では、招き猫の人形おみくじはすべて品切れの表示でした。再び授与が始まるかどうかは、神社のオンライン授与所で確かめてください。

対して日蓮宗の本光寺は、昔ながらのおみくじに小さな招き猫を一つ納めた形で、初穂料は330円です。寺は、仕事で出かける時間がない人のためにオンラインで授与していると説明しています。

出典:白鬚神社オンライン授与所「招き猫(白・左手)人形おみくじ」
出典:白鬚神社オンライン授与所「特定商取引法に基づく表記」
出典:本光寺オンライン授与所「招き猫おみくじ」
出典:本光寺オンライン授与所「特定商取引法に基づく表記」

長野・伊那の三澤寺や静岡縣護國神社など、中部の招き猫おみくじは次の記事で紹介しています。

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招き猫おみくじの中身と「28種類」

招き猫おみくじの中身は、運勢を記した紙と、色や手の向きが違う小さな招き猫です。どの猫が出るかは、引いてみるまでわかりません。

中身の要点

  • 猫の中に紙が入る置物型と、紙に猫が付く同封型がある
  • 「28種類」は本光寺が案内する、中に入る招き猫の数
  • 色と手の意味は、授与する寺社の案内に従って読む

置物型と同封型の2つの形

招き猫おみくじには、猫の中に紙を収めた置物型と、紙に猫を添えた同封型があります。どちらも紙と猫を一緒に授かる品ですが、手元に残る猫の大きさに差があるのが特徴です。

置物型の例は白旗神社と白鬚神社で、招き猫そのものがおみくじの入れ物になっています。白鬚神社の品は陶器製で、紙を取り出したあとの人形は部屋にまつるよう案内されました。

一方で同封型の例は櫛引八幡宮と本光寺で、紙のおみくじに小さな招き猫が付きます。本光寺の品の大きさは6×6と表記され、招き猫はお守りとして持つよう寺は勧めています。

招き猫おみくじの2つの形

形中身寺社の例初穂料
置物型招き猫の置物の中に紙が入る白旗神社・白鬚神社500〜600円
同封型紙のおみくじに小さな招き猫が付く櫛引八幡宮・本光寺200〜330円

出典:白旗神社「招き猫おみくじ始めました。」
出典:白鬚神社オンライン授与所「招き猫(白・右手)人形おみくじ」
出典:本光寺オンライン授与所「招き猫おみくじ」

置物として棚や玄関に飾りたいなら、置物型を選ぶとよいでしょう。財布や鞄に入れて持ち歩きたい人には、小さな猫が付く同封型が向いています。

28種類は本光寺が案内する招き猫の数

検索で見かける「28種類」という数は、本光寺の招き猫おみくじの案内に記されたものです。寺の説明では、おみくじには28種類の招き猫のうちどれか一つが納められ、7色のご利益があるとされます。

あわせて本光寺は、右手を上げた招き猫と左手を上げた招き猫があると記しています。

つまり「28種類」は、どの寺社にも共通する決まりではありません。ほかの寺社で引く場合は、授与所の案内で種類の数を確かめるほうが確かです。

色と手の意味は寺社ごとの案内で確かめる

おみくじの招き猫の色と手の意味は、授与する寺社がそれぞれ案内しています。櫛引八幡宮は、7色の招き猫に次の祈願の内容を添えました。

櫛引八幡宮が案内する招き猫おみくじの色(2026年10月時点)

色神社が案内する祈願の内容
金金運・商売繁昌
赤魔除・家内安全
緑身体健全・学業成就
白開運招福・吉兆来福
黄金運・商売繁昌
黒グレー家内安全・厄難削除
ピンク縁結・良縁招来

一方で同じ黄色でも、白鬚神社は人形おみくじの説明に「金運を招く 家庭運上昇」と記しています。このように、おみくじの猫の色の意味は、授与する寺社によって少しずつ異なるのが実情です。

手の向きについては、白旗神社と本光寺がともに、右手はお金や福を、左手は人を招くと説明しています。ただし、これも授与品に添えられた寺社の案内として受け取るのが自然です。

なお招き猫研究所では、置物として飾る招き猫の色の意味を別に定義しています。おみくじの猫は寺社の案内を、置物の色は研究所の定義を手がかりにすると迷いません。色の定義と、右手・左手の違いは次の記事で整理しました。

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招き猫がおみくじになった背景

喜多川歌麿「浅草年の市」。年の市でにぎわう浅草の人々を描いた錦絵
喜多川歌麿「浅草年の市」江戸時代・18世紀(東京国立博物館蔵)/出典:ColBase

招き猫がおみくじに使われる背景には、神意を伺うおみくじの成り立ちと、縁起物を添える授与品の工夫があります。おみくじの起こりから順にたどりましょう。

おみくじは神さまの意向を伺うもの

神社本庁によると、おみくじの根には物事の始めに神さまの意向を仰ぐ占いがあります。その年の作柄を占う粥占神事(かゆうらしんじ)や、亀の甲羅を焼いて吉凶を見る亀卜(きぼく)も、同じ流れにある占いです。

こうした占いが江戸時代に入って形を変え、個人の運勢や暮らしの指針を占うものが現れたといわれています。いまのおみくじに吉凶のほか、金運や待ち人、健康などの項目が並ぶのはその名残でしょう。

しかも神社本庁は、おみくじの種類はいろいろで、神社ごとに工夫も見られると説明しています。紙に縁起物を添える招き猫おみくじも、その工夫の一つといえるでしょう。

だからこそ、招き猫おみくじも吉凶の結果だけを見て終わらせず、書かれた言葉を読み返すことに意味があります。神社本庁は、おみくじの内容をこれからの生活の指針にすることが大切だと記しました。

縁起物みくじの中の招き猫

招き猫は、鯛や毘沙門天などと並ぶ縁起物みくじの定番の一つです。白旗神社では、竿で釣り上げる一年安「鯛」みくじや、藤沢七福神の毘沙門天みくじが招き猫みくじと並んでいます。

白鬚神社の人形おみくじも、こいのぼりや天狗、宝船など20種類を超える品ぞろえです。そのなかで招き猫は、色と手の向きを変えた品だけで8種類あり、ほかの縁起物より種類が多くなっています。

この差は、招き猫が色と手の向きで願いを描き分ける縁起物だからでしょう。鯛やだるまは姿が一つに決まりやすい一方、招き猫は手の左右と体の色を組み合わせて種類を増やせます。

もっとも、なぜ招き猫が商売の縁起物になったかについて、白旗神社は養蚕との関係を挙げました。猫は蚕を食べるネズミを退治するため、養蚕の縁起物とされ、養蚕が衰えたあとは商売繁盛の縁起物になったという説明です。

民俗学者の島村恭則氏は研究所の取材で、御朱印あつめが広まってから寺社が身近になったと語りました。その結果、寺社で授かる縁起物に手が伸びやすくなったという見方です。

半分は遊び心で縁起物を受ける人が増えたという島村氏の指摘は、招き猫おみくじの人気とも重なるでしょう。

白旗神社が招き猫の日に授与の始まりを伝えたように、招き猫にまつわる記念日に合わせた授与品もあります。招き猫の日の由来と、島村氏が語った縁起物と人の心の話は、それぞれ次の記事で紹介しました。

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招き猫おみくじを引いた後の扱い方

招き猫おみくじは、紙と招き猫で扱い方を分けて考えるとわかりやすくなります。紙は寺社の習わしに合わせ、猫は縁起物として持ち帰るのが寺社の案内に沿った扱い方です。

おみくじの紙は結んでも持ち帰ってもよい

神社本庁は、引いたおみくじを境内の結び所に結ぶ習わしがある一方で、持ち帰っても差し支えないと案内しています。どちらを選んでも、作法として誤りにはなりません。

白旗神社によれば、おみくじは家に持ち帰り、神棚に供えておくのが本来の扱い方です。いいことが書いてあることもあるので、あとで読み返すのもよいと神社は添えました。

対して本光寺は、凶のおみくじは寺のおみくじ掛けに納め、大吉ならお守りとして持つよう案内しています。このように、紙の扱いは寺社によって勧め方が異なります。

迷ったときは、引いた寺社の掲示や授与所の案内に従ってください。神社本庁の考え方に沿えば、結ぶか持ち帰るかよりも、書かれた内容を暮らしに生かすことが大切です。

中の招き猫は持ち帰って飾る

おみくじから出てきた招き猫は、持ち帰って縁起物として飾るよう寺社が案内しています。白旗神社は、招き猫を持ち帰って縁起物として飾るよう参拝者に勧めました。

白鬚神社も、紙を取り出したあとの人形は部屋などにまつるよう案内しています。また本光寺は、同封の招き猫をお守りとして大事に持つよう記しました。

つまり、紙は結び所に結んで帰っても、招き猫まで境内に残す必要はありません。置物型なら棚や玄関に、同封型なら財布や手帳に入れて身近に置くとよいでしょう。

やがて手放すときは、授かった寺社に納める方法があります。招き猫を飾る場所の考え方と、手放すときの供養や返納の方法は、次の記事にまとめました。

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よくある質問

Q. おみくじは2回引いてもよいですか?

A. 神社本庁のおみくじの案内には、引く回数の決まりは書かれていません。そのうえで神社本庁は、吉凶を見るだけでなく、内容を生活の指針にすることが大切だと説明しています。引き直す前に、最初に出たおみくじの言葉をよく読み返してみてください。

Q. 引いたおみくじを別の寺社に結んでもよいですか?

A. 引いた寺社で結ぶか、持ち帰るのが基本です。神社本庁は、引いた後に境内の結び所に結ぶ習わしがあり、持ち帰っても差し支えないとしています。結べなかった場合は、持ち帰って読み返すとよいでしょう。

Q. 招き猫の白と黒にはどんな違いがありますか?

A. 招き猫研究所の定義では、白は開運招福、黒は厄除けの色です。研究所は、白をどんな願いにも通じる基本の色とし、黒を災いから身と家を守る色と考えています。おみくじの猫の場合は、授与する寺社が添えた案内もあわせて確かめてください。

Q. おみくじの吉凶にはどんな順番がありますか?

A. 神社本庁は、吉凶の種類や並び順が神社ごとに異なると説明しています。そのうえで一例として、大吉、吉、中吉、小吉、末吉、凶の順を挙げました。順番は寺社ごとに異なることがあるため、気になる場合は授与所で尋ねてください。

招き猫研究所がつくる招き猫「Luxen Maneki」

おみくじの招き猫は、引いた日の思い出とともに家へ持ち帰る小さな縁起物でした。その一体を手がかりに、長く飾る招き猫も迎えてみたいと思いませんか。

招き猫研究所を運営する株式会社日本招き猫総合研究所は、「Luxen Maneki」というブランドで招き猫を届けています。手がけるのは六古窯の一つ、瀬戸焼の伝統を受け継ぐ窯の職人で、筆で金彩を描き入れながら一体ずつ仕上げます。

量産の品と違って受注生産のため、注文から届くまではおよそ4〜6週間です。仕上がった招き猫は、湿気を吸って吐く性質を持つ桐の箱に納めてお送りしています。

まとめ

招き猫おみくじは、運勢の紙と小さな招き猫を一緒に授かる縁起物みくじです。公式で授与を確かめられたのは、藤沢の白旗神社、八戸の櫛引八幡宮、オンライン授与所の白鬚神社と本光寺でした。

「28種類」は、本光寺が中に入る招き猫の数として案内しているものです。色と手の意味は寺社ごとに少しずつ違うため、授与した寺社の案内を手がかりに読みましょう。

引いたあとの紙は、結び所に結んでも、家に持ち帰ってもかまいません。中の招き猫は家に持ち帰り、棚や財布など身近な場所に置いて、おみくじの言葉とあわせて大切にしてください。